「画素数と解像度」の意味と違い

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画像の【 画素数と解像度 】って何?

広告制作をする上で、”画像処理系の電子機器(カメラ等の撮影機材)”の利用は必須といえます。

取材時にカメラやデジカメ写真撮りした画像ファイルは「広告用の素材」として扱うために「画像処理ソフト(フォトショップなど)」で印刷用途に適した画像に加工しますが、画像ファイルには「画素数」「解像度」というファイル容量(サイズ)の数値が存在します。

この「画素数」や「解像度」の値は、画面表示印画紙と密接な関係にあるので、それぞれの意味や違いは、ざっくりとでも知っておいた方が良いでしょう。

更には、カメラを買おうと店頭でカタログ(説明欄)を読んだ時にも、例えば「画素数 1600万画素」と具体的に表記されていたり「解像度 3264 × 2448」などと示され重要な選定基準とされるものですから、数値の意味がわからないままでは検討のしようもありません。

「画素数」とは?

「画素数」とは、画像を構成する画素(ドット・点)の数を示す値(あたい)をいいます。

まず上記カタログの記載例で「解像度 3264 × 2448」とありましたが、これは「解像度」の値ではなく「画素数」の値なのです。

「え?!」と思われたかもしれませんが、多くの方がごっちゃにしているのはこの点で、その間違った理解に乗っかったような宣伝をしている企業もあるので、わかりにくいのは当然のことと思います。

「解像度」とは?

解像度とは、単位・長さ当たりにどれだけ多くの白黒が再現できるか?を示す値をいいます。

解像度には2つの種類があります。

  1. 「レンズによって出来る像」の解像度
  2. 「撮像側」の解像度

とがあり、

  • 「二つの小さな黒点」の距離が、どれだけ近付くと「1つの点」の様に見えるのか?
  • 「等間隔の白黒の線」の距離が、どれだけ分離して見えるのか?

などを【 本数/mm 】で表示します。

解像度は「どれほど細かく像が見えるのか?」を示す値であり”画素数とは別の値”というわけです。

フィルムをプリントした写真の場合、

  • 1mm当たりに再現できる線の本数は本数/mm 】、
  • 1インチ当たりに再現できるドット(点)数はdpi(dot per inch)】と表示します。
    ※画像データでは【 1cm 】という表示は(あまり)意味をなしません。 

画像の横、もしくは縦全体で、単位・長さとして画面の【 横幅 × 縦幅 】を表示します。

例えば「解像度 3264 × 2448」は「長辺が 3262ドット」「短辺が 2448ドット」まで記録され再現が可能、という意味になります。

平たく言えば「長辺5000ドット」であるなら「長辺50cm」の大きさに印刷すると、0.1mmの大きさまで再現可能、という計算になります。

留意すべき点は「解像度 3264 × 2448」と表示されてはいても、その値までの情報量を記録できる「画像データ量の器の数値」であって、そこまでの情報量が実際に詰まっているとは限らない、という点です。

つまり「解像度 300 × 200(ドット)」の画像データであっても、フォトショップなど画像編集ソフトでドットを補完すると「解像度 3264 × 2448(ドット)」の画像データは作成可能ですが、元から「解像度 3264 × 2448(ドット)」であった画像データとは違うものです。そこは気をつけないといけません。

「画素(= ドット・点)」とは?

画素(= ドット・点)は、画像を構成する最小単位をいいます。

その全体量の画素の数( = 画素数 )の値は、解像度を掛け合わせることで算出できます。

例えば「解像度 3264 × 2448(ドット)」の場合ですと「3264 × 2448 ≒ 800万画素」となります。

ちなみに「800万画素」の画像データを「A4サイズ」に印刷した場合、高精細で良質な画質に仕上げられますし、これが「A3サイズ」であっても十分キレイな印刷物ができます。

カメラレンズの解像度の良し悪しを決める判断基準は?

基本的に写真は「十分な解像度を備えたカメラレンズ」で撮影することが重要です。「解像度の低いカメラレンズ」で撮影していては品質の良い写真にはなりません。

「解像度の低い画像」は低品質で「解像度の高い画像」は高品質なのか?

「解像度が高いレンズ」で撮影した写真なら良質と判断できるか?といえば、そうとも言えません。

「カメラの画素数」や「フレームあたりの解像度」 が示す値は「どれだけ緻密な画像を再現できるか?」を推し量ることはできますが、【 画質 】の良し悪しの判断基準は「緻密さ」以外に「色合い」や「滑らかさ」「コントラスト」など、さまざまな要素が絡んでいます。

【 画素数 】だけを見てもフルカラーなのか?単色なのか?という違いもありますし【 解像度と画素数 】だけでは画質の判断ができるものではありません。

こういった、さまざまな要素の絡みから「画素数が多い」イコール「画質がキレイ」とは言えませんし、逆に「画素数が少ない」方が「画素数が多い画像よりキレイ」ということもよくある話で 「画像データの質の違い 」を知った上で判断していくものです。

例えば「レンズが結ぶ像」が「撮像側の解像度」に対して ”解像力が”不足”していると、ピントが合っているのにボケた感じの画像になってしまいます。

撮像側の解像度」というものは「画素数よりも高い解像度」を現すことができません。つまり「画素数よりも低い解像度」が現れるのです。

画像データは【 撮像素子 】の前にある【 ローパスフィルター(= ハイカットフィルター)処理 】や、画像データになってからの【 シャープネス・アンシャープ 】処理等で作成されます。

それらの処理方法によって画像データが【 画素数 】を有効活用できるか否かが決まるのです。

すなわち、像の解像度を悪くする【 ローパスフィルター処理 】を通して【 シャープネス 】を上げ、【 仮の像(=解像している感じの像) 】を作成して、再度【 アンシャープ】処理で ”それらしく見せている”のが「現状のデジタルカメラ」というわけです。

ローパスフィルターは不要?

近頃「オリンパス」は解像度を高くするために、【 ローパスフィルター】を弱めて画像処理の精度を上げる工夫をしていますし、「ニコン」に至っては【 デジタル一眼レフの D800E 】では「3600万画素」を有効活用するために、あえて【 ローパスフィルター】を取り除いたようです。

【 単板の撮像素子 】よりも3板の(3層の撮像素子をも含む)撮像素子の方が、強い【 ローパスフィルター】が不要ということで解像度は上なのです。

レンズ・撮像素子・画像処理による「画像データの解像度」が低い場合には、例え画素数が多くあったとしてもキレイな画像とはなり得ません。

メーカー側は常に創意工夫して ”画素数に見合う解像度”を持つよう進めてはいますが、高級品を含めても多くの場合、なかなか完全とはいかないようです。

ですが出来るだけ正しい知識を持った上で判断したいものです。

 

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