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データを軽く美しくPDF保存したい
Illustratorなどで作成したデザインデータを”軽さとキレイさ”両方あわせ持った形でPDF形式で保存したい場合、常識的に考えると「データ量の軽さ」と「高画質(高解像度)」は両立しません。画像ファイルは、軽くするたびに低画質になります。とはいえ対処法がまったくないわけではありません。
PDF形式は生成時の設定でファイル容費が大きく変わります。まずは使用目的は何か?を明確にして目的外の不要部分を削ることを念頭におきます。
保存PDFファイル形式を軽くするには?
【基本】Adobe Acrobat Proで「PDFの最適化」
ファイル容量を軽くするには、各アプリケーションでのPDF保存の設定で画像解像度を「プレピュー程度 72ppi 」にする、または「フォントを埋め込まない」設定がありますが、もっとも手軽な方法は、作成したPDFファイルを「Adobe Acrobat」で開き直して「PDFの最適化」設定で保存をすることです。または「サイズが縮小されたPDF」や「ファイルサイ ズを縮小」を選択しても「PDFの最適化」が実行されます。
PDFの最適化では、フォント・画像・しおり・フォーム・移動先・ 注釈などの不必要なメタデータを検出して削除しています。
下記は用途別での軽量化の対処法です。
用途別1:「デザインのみの確認用」として依頼主へ送信したい場合
- 元ファイルを「イラストレーター」で開き [ ファイル ]→ [ 書き出し(形式) ]→ [ JPEG(jpg) ]→ [ 解像度:高解像度(300ppi)]で保存
- このJPGファイルを「フォトショップ」で開き [ 別名保存 ]→ [ Photoshop PDF ]→ [ 最少ファイルサイズ ]→ [ PDFを保存 ]
ここで作成されたPDFファイルは、もともとあった「高解像度の複数レイヤー」を「高解像度のまま1枚に統合」していますので、不要になったレイヤーの数だけデータ量が削減されています。
これはレイヤー内部の構造が依頼者にとっては不必要な場合の対処法です。レイアウトなど見た目の確認用に絞った非常に軽いデータです。
用途別2:文字校正・画像デザインなどの「データ構成の確認用」の場合
元ファイルを「イラストレーター」で開き [ ファイル ]→ [ 別名保存 ]→ [ Adobe PDF(pdf) ]→ [ デフォルトの[標準]プリセットで保存 ]
- フォントは「文字情報の埋め込みナシ」で軽量化
ここでは、軽量化するための「プリセット設定」を[ 最小 ]カスタマイズ(カラー画像:最高)として保存し「文字情報の埋め込み」はしていないため、制作側と同じフォントが相手側のPC環境にない場合のモニター表示は代替えフォントに差し替わります。代替えフォントでは困る場合は、イラストレーターで「フォントをアウトライン(図形)化」保存を事前にしておくことで、相手側と同じモニター表示が実現します。
- 高画像で保存する
元ファイルに「埋め込まれた画像」があった場合は事前に「 Illustrator 」で [ 効果 ]→ [ ドキュメントのラスタライズ効果設定 ]→ [ 高解像度(300ppi) ]→ [ PDF保存 ]で高画像を保持します。この場合、元画像の解像度がスクリーン(72ppi)・標準(150ppi)など低解像度であれば画像を[最高]設定にしても元解像度(
72dpi・150dpi)以上には再現しません。
配置画像が「埋め込み」「リンク」どちらであっても、元画像が低解像度であれば高解像度で表示できませんが逆に、元画像が高解像度で300dpiより高い場合は、300dpi保存で高解像度の軽量化が可能です。
用途別3:PDF作成ソフト【Distiller】で更に軽量化
軽くて高画質なPDFファイルを生成するベストな方法は「Acrobat Distiller.app」を活用することです。Distillerは、Adobe Acrobat DCフォルダの中にあるPDF作成アプリです。
まずは下記のように元ファイルをイラストレーターで開いてPSファイルに書き出し、次にAcrobat Distiller.appで開き直してPDFファイルに変換します。
- 【 Illustrator 】→ [ ファイル(メニュー) ]→ [ プリント ]→ [ プリンター:Adobe PostScript ファイル ]→ [ PS保存 ]
- 【 Distiller 】→[ PSファイルを開く ]→ [ PDF デフォルト[標準]保存 ]
Illustratorから直接PDF保存するよりも高画質で軽いPDFファイルを生成します。
IllustratorはPDF生成時に” Illustrator独自の生成データ ”を書き加えるのですが、 Distillerではこれら不要データを削除します。
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イラストレーターの「PDFプリセット」の有効活用
Illustratorには複数のPDFプリセットが最初から設定されています。
- PDFプリセットのベストな選択は、最小ではなく「標準」です。
「画像のダウンサンプル値」「圧縮」「画質」などで個々にカスタマイズ設定して確認しながら納得のいく値に作成します。 - PDF保存時に余計なプリセットを作ってしまった場合は下記手順でそれぞれ削除します。
【 Illustrator 】[ メニュー ]→ [ 編集 ]→ [ Adobe PDFのプリセット ]→ [ 設定項目を選択 ]→ [ 削除 ] 【 Distiller 】[ メニュー ]→ [ 設定 ]→ [ Adobe PDFの削除 ]