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Illustratorのデータが重くなる時
Illustratorは配置する画像が増えてくると少しずつデータ容量が重くなってくるので色々困った事態におちいることがあるものです。
例えば作業中に、
- こまめに上書き保存(⌘+S)したいのに保存に時間が掛かり過ぎて作業が停滞してしまう…
- PCスペック負荷の許容量を超えてしまいフリーズして最悪データが落ちてしまう、等々…
このような非効率が起こる前にデータ容量は、あらかじめ軽く抑えて作業したいものです。
Illustratorファイルの「リサイズ」方法
【1】配置画像は「リンク」する
- 配置する画像はすべてリンクにします。
画像を埋め込むとファイル容量が膨らんでPCに負荷が掛かるためです。
ただし、入稿時の画像添付は忘れないよう気を付けましょう。 - Illustrator上で画像に「効果・フィルター処理(→ Photoshop効果)」をかけないこと。
画像は Photoshopなどの画像処理ソフトで効果処理してからリンクする。 - 画像は 極端な拡大・縮小は避け可能な限り「適正解像度」でリンクする。
以上のように画像のリンク設定ができましたら、次はIllustratorファイルのリサイズを行います。
【2】「PDF互換ファイルを作成」のチェックを外す
- Illustrator の保存(or 別名保存)オプションにある「PDF互換ファイルを作成」のチェックをはずします。
PDF互換にチェックが入っていると、すべてのリンク画像が PDF形式に埋め込み処理されるので、配置画像のすべてがIllustratorデータ総量に加算されます。 - PDF互換がない状態で作業すると{効果の再現}や{データ保存}が素早くなり、時短 に繋がります。
- リンク画像が{「軽くJPEG圧縮」された画像}であっても、PDF互換があると{「PSD画像」を埋め込んだかのごとくに}ファイルサイズは重くなります。
- PDF互換がないと{PDF閲覧ソフト(AdobeReader や Acrobat 等)}での展開は出来なくなりますが、必要時に別途「別名保存」 →「 PDF互換にチェック」」 →「保存」すれば良いだけの話です。
但し、PDF互換のチェックを外したにも関わらず、{軽くならない場合}は「リンク画像」のつもりが間違って「埋め込み画像」になっている可能性があります。
今1度、下記2点の設定をご確認ください。
- 「ファイル」→ 「配置」をクリックして、ウィンドウ下部に表示される{「リンクのチェック」が外れていた場合}は、「埋め込み画像」になります。
「CapsLockキー」が{「オン」になっていた場合}は、画像を「ドラッグ&ドロップ」で配置した時に「埋め込み画像」になります。
【3】画像プレビューを「粗画像」に設定
- Illustratorのプレビュー画像の設定を「粗画像」にしておくと{PCスペックの負荷}が軽減されます。
- 「環境設定」→「 [ファイル管理] クリップボード [ リンクされたEPSに低解像度の表示用画像(プレビュー)を使用 ]」 にチェックを入れることで、画像表示は「粗画像」になります。
見た目は ” ザラザラ ” の粗い画像ですが、ファイルは軽く作業はスムーズです。
キレイな「実画像」を再確認したい時には、
「表示」 → 「オーバープリントプレビュー」で、元に戻ります。
【4】配置画像を「EPS形式 TIFF(8bit/pixel)」の画像に変更
- 配置した画像を、Photoshopで「EPS形式 TIFF(8bit/pixel)保存」し直して入れ替えます。
- 画像を「Photoshop で開く」→「EPS形式で保存」→「 [オプション] プレビュー: TIFF(8bit/pixel)」→ 「[エンコーディング] JPEG-最高画質(低圧縮率)」で保存し、Illustratorにリンク配置します。
※Macの場合 → [プレビュー] Mactintosh(8bit/pixel)でもOKです。
【 注意 】印刷会社での{入稿指定の推奨}が「EPS画像」ではなく、「PSD画像」であれば、昨今のバージョン環境では「PSD画像」の方が軽いので「EPS画像」は該当しません。
【あわせて読みたいページ】
【Photoshopで画像を軽くする方法】ファイルの容量が重い!リサイズの方法は?
■ 備 考
画像が配置してある Illustratorファイルを、単純に「PDF互換ファイルを作成」のチェックを外し →「別名保存」しただけで、下記のように軽くなりました。
- {リンク画像}のあるファイル →「 115MB → 1.5MB 」に軽減
- {埋め込み画像}のあるファイル →「 189MB → 98MB 」に軽減
ファイルサイズが軽くなったことで{データ受送信}もスムーズになり安心です。
お使いのバージョンやPC環境は様々ありますが、手順や効果に大差はない筈ですからお試し頂けたら幸いです。
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【 Illustratorの保存形式 】 ai・eps・ait・pdf・svg・svgz ってどう使い分けるの?