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Illustratorファイルが重くなった時の「リサイズ」の方法
Illustratorファイルの容量はアートボードに画像を追加するたびに画像の容量分が加算され重くなります。特に高解像度の画像を多用するとファイルサイズは大きくなりがちです。
注意すべきは重いファイルで作業を続けた場合に発生するトラブルで例えば、
- 上書き保存(⌘+S)するたびに保存の待ち時間が長過ぎて作業が中断してしまう…!
- スペックに負荷がかかり過ぎて作業中にPCの性能の許容量を超え、画面がフリーズしてIllustratorが機能しなくなった…!
- Illustrator画面がパッと消えて(落ちて)保存前の編集データを消失、もしくはデータが壊れて開かなくなった…!
こういった非効率かつ損失を回避するためには事前にファイル容量を軽く抑えて作業することがオススメです。下記ステップをお試しください。
1. 画像は「リンク化」
Illustratorは、画像を「埋め込む」ことと「リンクする」ことができます。埋め込むと画像容量分がIllustratorファイルに加算され、リンクにすると画像への参照情報のみの保持で済むため大幅に容量は削減できます。 画像を配置するときはオプションの「リンク」にチェックを入れます。
画像を「埋め込み」から「リンク」に変更する方法
埋め込み画像をリンク化するには「リンクパネル」を表示して(「ウィンドウ」→「リンク」)埋め込み画像を選択し、パネル下部の「リンクの再設定」ボタンを押して画像の「保存場所」を選ぶとリンク化します。
2.効果の使用は最小限に!適正サイズで画像を配置
- Illustrator上で画像に「効果・フィルター処理(Photoshop効果)」をかけると重くなります。あらかじめ Photoshopなど画像処理ソフトで効果処理を行った画像をリンクします。
- オブジェクトへの「影やぼかしのような効果がけ」は最小限におさえて必要な効果だけを適用します。
- 画像は極端な拡大・縮小を避けて可能な限り「適正解像度」と「サイズ(タテ・ヨコ寸法)」に調整します。( Illustrator 内で直接画像の解像度を下げることはできません)
- 画像の解像度を変更するには、Photoshopなどの画像編集ソフトで元の画像を開いて配置サイズと解像度を設定しIllustratorに再配置します。
1.DTPなど印刷用途での解像度は「300dpi〜350dpi」程度
2.Web用途や画面表示専用では「72dpi〜150dpi」程度
3.不要な要素は削除
- デザインの過程で使用しなくなった要素や、画面(アートボード)外に配置された要素など、不要な情報データは削除してください。
- 使用しないアートボードを削除することでもIllustratorファイルの容量は軽くなります。
4.保存オプション「PDF互換ファイルを作成」はオフに!
Illustratorファイルの保存オプション「PDF互換ファイルを作成」のチェックをはずしOFFにするとファイルは格段に軽くなり上書き保存の速度も上がります。
PDF閲覧ソフト(AdobeReader や Acrobat 等)での展開はNGになりますが、PDFがONの場合にPDF表示用のデータ生成のために、アートボード上のリンク画像すべてが埋め込まれるため、画像の容量分やメタ情報が加算されて重くなるのです。
もしPDF互換の必要性があれば、編集終了時に「別名保存」 でPDF互換にチェックを入れて別途ファイルを作成すること解決します。
PDF互換がOFFでも軽くならない場合は「リンク画像」のつもりが「埋め込み画像」になっている可能性があるため、下記2点を確認し変更ください。
- メニューバーから「ファイル」→ 「配置」→「表示ウィンドウで何か画像を選択」した時に下部に表示される「リンクのチェック」がはずれていた場合は「埋め込み画像」です。
- 「CapsLockキー」が「オン」になっていた場合は、画像を「ドラッグ&ドロップ」で配置した時に「埋め込み画像」になってしまいます。
「PDF互換ファイルを作成」OFFでファイル容量はどう変化する?
画像を含むIllustratorファイルを単純に「PDF互換ファイルを作成」のチェックをはずして保存し直してみると下記のように軽くなりました。
- 「リンク画像」のあるファイル例 →「 115MB → 1.5MB 」に軽減
- 「埋め込み画像」のあるファイル例 →「 189MB → 98MB 」に軽減
ファイルサイズは小さい程データの受送信は速くなります。IllustratorのバージョンやPC環境はさまざまですが手順や効果に大差はないはずです。
5.EPS画像であればプレビューは「粗画像」
- 配置画像がEPSであれば画像のプレビュー設定を「粗画像」にしておきます。Illustratorの「環境設定(⌘+K)」→「ファイル管理」→「クリップボード」の「リンクされたEPSに低解像度の表示用画像を使用」にチェックで「粗画像」になります。ザラザラした粗い見た目ですが操作は軽くなります。
- 実際の画像の見た目を確認したい場合は「表示」 → 「オーバープリントプレビュー」を選択します。
6. DTP用途であれば配置画像を「TIFF形式」に変更
印刷会社への入稿用ファイルであれば、配置する画像は「TIFF」に変更したものを再配置します。背景に透明性のある画像であればPhotoshop「PSD」で配置します。
画像をTIFF形式に変更するには?
- 画像をPhotoshop(などの画像処理ソフト)で開いて「別名保存」→「TIFFを選択」→ TIFFオプションで「LZW」「インターリーブ」「IBM / Macintoshの選択はどちらでも良いので放置」→ 複数レイヤーがあれば「レイヤーを破棄してコーピーを保存」→ Illustrator上で「リンクを再設定」します。
これらの方法を行うことで効果的にファイルサイズを減らすことができます。
入稿時は画像を忘れずセットする
入稿時には配置したリンク画像はすべて添付、もしくは埋め込みします。印刷会社の入稿マニュアルで配置画像の拡張子の指定が「EPS」でなければ、「TIFF」や「PSD」は軽い画像形式として多くの印刷会社で推奨されています。
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