広告掲載した「冊子」を制作したい場合の依頼先は?広告代理店・デザイン事務所・印刷会社の役割について

企業広告”を掲載した「発行物」の制作は どこへ依頼すべき?

広告入りの雑誌

例えば、役所などの公共事業が発行する出版物であれば、市町村の企業など利益団体の広告を掲載することで、コスト面において大いなる助けとなります。

ここでの広告掲載料は実質的な収入源ですから出版物発行補助金として使える上に、企業の活性化にも繋がり一石二鳥というわけです。

そこで、まずは企画制作に於ける計画を立てるわけですが、闇雲にスタートするのではなく、事前に広告会社などの専門の制作会社に相談してから進めることが、混乱のない効率的な作業に繋げていくことになります。

今回は、こういった場合の依頼先の選定基準についてお話していきたいと思います。

【ケース1】費用が高くてもラクに仕上げたい場合
  • 印刷製本までの全てのデザイン制作広告代理店(広告会社)1社丸投げする方法であれば、全行程プロが責任を持って進めていきますからラクに仕上がります。
    ここで依頼者側がすることは、広告内容を含めた掲載事項の準備と、要所要所でのチェック作業のみとなります。
  • 加えて、広告掲載する企業への「営業をも含めた制作も委託したい場合の依頼先は、これはもう一択しかなく、広告代理店1社に絞ることとなります。
    但し、ここで営業ノルマまでをも課してしまえば各社引いてしまうか、或いは足元を見られて高く付いてしまう可能性があるので要注意です。
  • どちらにしても依頼者側が打ち合わせる制作窓口担当は1人で済みますから、依頼者側には時間的余裕が生まれ、その空き時間別の仕事に有効活用できるのです。
    この点が制作丸投げの最大のメリットと言えます。
  • 広告代理店は性質上、制作機能はありません
    つまり実質的な仕事は各専門業者取り次いでまとめという、いわゆる「中抜き商売になっていますから、経費を節約したい場合は広告代理店を選択肢に入れるべきではありません
【ケース】経費を最大限に節約したい場合

経費節減に繋がるベストな方法は、各専門職へ個別に依頼し業務分担という形で進めることです。
例えば、

  • 編集作業・・・依頼者側(役所担当者)
  • 冊子デザイン、および冊子内の広告制作・・・独立したデザイン事務所
  • 印刷製本・・・激安印刷会社

という具合です。

但し、印刷会社によっては「デザイン」込みで請けているところもあるのですが、一般的に印刷会社はデザイン事務所などにデザイン委託しますから、やはり専門業者に個別依頼する方がコストダウンに繋がるようです。
もちろん、デザイン部門を社内に所有している印刷会社もありますから、その点は個別に要確認となります。

また、それぞれの依頼先選定にあたっては、複数社相見積りをかけて比較検討することがオススメです。

このように業務分担は手数こそ増えますが、各専門業者直接すり合わせる形となりますので、あらゆる要望を依頼者側主導詳細に確認しながら進めたい場合には最適です。
現場の制作者とのコミュニティーによって生まれ得る新たなアイデアも有り、何より反映素早く的確です。

【広告スペース制作の大まかな流れ

広告欄は、広告主への「スペース提供」の場になるかと思います。
そこで、広告主に向けての{制作側の大まかな段取り}を列記致しますと、

  1. 印刷会社への入稿条件の確認
    「データ入稿か?」「版下入稿か?」など詳細の確認と相談を。
  2. 広告主入稿条件広告スペース(配置・サイズ)を提示
  3. 広告主から提出された原稿チェック

この流れが一般的となります。

【広告スペース編集部分と広告部分を各得意分野の人材に任せる
  • ちなみに一般企業の自社発行冊子に「自社広告掲載」したい場合であれば当然、広告編集は自社で行うことになります。
  • これが公的機関等、役所発行の冊子で「企業広告掲載」であれば、役所の担当者が広告までをも制作するのは余りにも煩雑すぎて非現実的です。
  • また商業出版界の場合ですと通常、出版社の編集者編集のみを任されていて、広告スペース広告代理店からの入稿待ちとなります。

広告編集を進める上で意外に重要なのが才能です。
人材としては「広告制作が得意なタイプ」と「取材編集が得意なタイプ」はであることが多いのです。
クオリティ高く仕上げるには、広告部分編集部分各得意分野の人材に任せることが理想となります。

現状、「編集者が広告制作まで担える人材は稀」で「広告制作者は(レベルはともかく)編集作業をも手掛けられる人材が多い」ものですから、もし別会社に任せるなら広告代理店に一任しておくと手間が掛かりません。

社内の冊子は基本、出版物と言うよりは広報宣伝のツールですので、広告会社に一任しておいても問題ないようにも思います。

このように、広告スペースの制作者の選定基準は、諸事情によりケース・バイ・ケースとなっています。

■備 考

昨今の競争入札の実情の話になりますが(残念ながら)印刷会社などが仕事の受注を求めて「デザイン代=0円」見積るケースが後を絶ちません。

そのあおりで末端のデザイナーは最悪のデフレ状態にさらされていて、新人デザイナー成長の機会が失われているのです。デザインを発案し制作するには、制作環境に伴うコストや作業時間が必要ですが、この作業時間=時給を失うことになるのです。

役所など公共事業が、公共工事の入札のように最低入札価格設定後に、最低価格以下での入札複数社あった場合に抽選などの対策をとっているように、DTP業界にも適応して頂けたら有難いですね。

これは決して競争入札のない「任意で決めた依頼先」との随意契約を求めている訳ではないのですが、デザイン費用(=デザイナーの時給)というソフト面にも妥当な対価を支払う、という価値観が一般共有できれば嬉しいなとは思います。

もっとも、以前騒がれた東京五輪エンブレムの佐野氏のような特権階級における出来レースや、その異次元なデザイン料は論外ですが、公共事業の経費節減対策である競争入札において、広告代理店の参入は必要ないようにも思えます。

広告代理店は、テレビ枠・新聞枠のような「媒体」を売ることがメインの「中抜き商売」ということも一般共有できれば良いですね。