フォトショップ保存形式・拡張子・一覧

この記事の目次

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【Photoshopのファイル形式】拡張子とは?フォーマットって何?

Photoshopで作成した画像ファイルは用途に最適なファイル形式を選んで保存します。

用途が「印刷物の入稿用」なのか?「ホームページやSNS用の画像」なのか?「動画用の連続画像」?「医療用」?更には「ピクセル形式」が最適か?「ベクトル形式」か?「圧縮方法」は?などを考慮して選択します。

コンピューターはファイル名の後ろの拡張子「ファイル名.psd」「ファイル名.tiff」「ファイル名.jpg」…など)を読み取ることで機能を識別しますが、この識別される拡張子の情報(形式・体裁・型など)のことを一般的にフォーマットといいます。

メニューバーから「ファイル」→「別名で保存(もしくはコピーを保存)」(→保存先を選択)→「フォーマット」へと進み、表示される拡張子のリストから選びます。

Photoshopの保存形式「拡張子」一覧

  変換したいファイル形式で保存ができない場合

例えば「JPEG形式」に変換したい画像があったときに、元となる画像に「インデックスカラー」や「Labカラー」や「マルチチャンネル」があった場合、JPEG保存はできません。もともと色制限のかかった画像に「圧縮機能のあるJPEG形式」への変換はNGです。このような場合「RGBモード」に変更するとJPEG保存が可能になります。

このように、変換したい保存形式から見て元画像に「不都合な設定」があった場合はフォーマットの選択肢にその保存形式は表れません。元画像のカラーモードやビット数( 8bit・16bit・32bit 等)、拡張子の種類などに対応して拡張子の選択肢は限られます。

【保存したい拡張子を表示させるには?】

まずは元データを失わないよう別名保存し残しておきます。

次に設定を他のカラーモードに変更してみたり、
ビット数を変えてみたり、
レイヤーを統合してみたり、
一旦、別の拡張子で保存してみたり、
コピーを保存(別名保存ではなく)を試したりと、希望の保存形式が選択肢に出るまで変更し続けます。

実際のところ「Photoshopのバージョンの違い」や元画像の「設定機能」の組み合わせによって変更箇所はさまざまです。そこは試行錯誤です。

【1】Photoshop 形式「 .psd(ピーエスディー)」とは?

「.psd(Photoshop Documentの略)」は、Photoshop初期設定のネイティブ形式です。レイヤーなどの編集過程が保存できるのでマスターデータとして以後の修正ができる他、デザイナーや編集者との共同作業の際にも便利です。

【PSD形式の主な特徴】

  1. 完全な編集情報
    Photoshopで作成された画像のレイヤーやマスク、効果、カラーモードやブレンドモード、ペインティング描画、テキストなど、すべての編集機能を保持するので再編集や再配置が容易になります。

  2. 高い互換性
    Adobeの製品群、特にグラフィック関連のソフトウェアとの間で高い互換性があり、例えば Illustratorや InDesignなどで画像配置や編集はもちろんのこと、他メーカーのグラフィックソフト、例えば GIMPや Pixelmator Proなどでも開いて編集できます。

【注意点】
他のソフト(アプリ)で開いた場合は、保存していたPhotoshopの各機能やレイヤーが再現(継承)されるわけではありません。

バージョン違いのPhotoshopで開いた場合は、バージョンごとに異なる編集機能の差異(改変)部分は統合表示されますが、画像の外観は保持されます。(あらかじめ「環境設定」で互換性を最大化するようレイヤーや画像合成のバージョンを指定することはできます。)

【2】ビッグドキュメント形式「 .psb(ピーエスビー)」とは?

「.psb(Photoshop Bigの略)」は、通常の「.psd」形式では保存できない大きなファイルを保存する特別な拡張子でPhotoshopで編集した機能はすべて保持します。Photoshopでの作業中、特に高解像度の画像やレイヤー多数を重ねていくとファイルサイズは大きくなりますが「PSD形式」の保存にはサイズ上限があります。

下記いずれかのサイズ上限を超えた場合に自動的(強制的)に「PSB形式」保存になります。

  1. ファイル容量が「2GB」を超えた場合。
  2. 縦・横サイズのどちらか一辺が「30,000ピクセル」を超えた場合。
    ※PSB形式は、どちらの方向にも「300,000ピクセル」まで保存可能です。

【注意点】
「PSB形式」はPhotoshop専用の拡張子です。他のソフトウェアでは開かない場合が多いため「ファイルを共有」するときや「他のアプリで使用」するときは保存形式を変更する必要があります。

【3】BMP(ビットマップ)形式「 .bmp(ビーエムピー)」とは?

「.bmp(Bitmapの略)」は、Windows標準の画像形式で多くのグラフィック編集ソフトで読み書き可能です。画像データを高い品質で保存したい場合に適します。

【BMP形式の主な特徴】

  1. 非圧縮
    データを圧縮しないためファイルサイズは大きくなりますが、ピクセルの欠落や改変がないので高品質画像が再現されます。

  2. カラーデプス(色深度)・カラーモード・ヘッダー情報・透明度
    1ビット(モノクロ)、4ビット(16色)、8ビット(256色)、24・32ビット(1670万色)などの色深度、RGB、インデックスカラー、グレースケール、モノクロ 2 階調の各色モード、ヘッダー情報、画像サイズを保持します。
    透明度情報(=アルファチャンネル)は、32ビットのみをサポートします。

【注意点】
ファイルサイズが大きいためWeb画像やインターネット経由での転送には不向きです。このようにデジタルメディアで使う場合はファイルサイズを小さく圧縮した「JPEG」「PNG」「GIF」形式が主流です。

BMP形式は「CMYKカラー非対応」のため印刷用には不向きです。

【4】Dicom(ダイコム)形式「 .dcm(ディーシーエム)」とは?

「.dcm(Digital Imaging and Communications in Medicineの略)」は、医療用画像を扱うための国際標準の拡張子です。放射線学(X線、MRI、CTスキャンの連続したスライスなど)、心臓学、歯科学、病理学などの保存・共有・伝送のために設計された高解像度の医療画像です。

【Dicom形式の主な特徴】

  1. 包括的な情報
    単なる画像データだけでなく、医療情報(患者情報、検査情報、撮影機器の詳細など)も同時に格納するため、誤ったマッチングや混同を防げます。

  2. 高い互換性と整合性と多様性
    磁気共鳴画像、コンピュータ断層撮影、超音波など、さまざまな医療画像モダリティ(様式)に対応し、多くの医療イメージング装置と互換性があります。医療機関間や機器間でのデータ交換の標準化により一貫性と追跡力が向上し、異なる製造元の医療機器やソフトウェアでも共通して読み書きできます。

【5】Photoshop EPS 形式「 .eps(イーピーエス)」とは?

「 .eps(Encapsulated PostScriptの略)」は、PostScript印刷技術を基に「ベクター」と「ビットマップ」両方の画像を組み入れた複合ファイル形式。簡単にいうと印刷用フォーマットです。
※PostScript (ポストスクリプト)とは、印刷機や画像処理装置などの出力機器で使用されるページ記述言語。

【Photoshop EPS形式の主な特徴】

  1. ベクター&ビットマップの組み合わせ保存
    ベクターとビットマップ両画像を保存。画像をスケーリング(データを増強もしくは縮減)してもテキストや図形のクオリティが維持されます。

  2. 「ロスレス圧縮(可逆圧縮) 」& 「ロッシー圧縮(非可逆圧縮)」
    「ロスレス(無損失)圧縮」と「ロッシー(有損失)圧縮」両方のサポートにより画質の劣化を最小限に抑えた保存が可能です。
  3. 高い互換性
    多くのグラフィック編集ソフト(アプリ)で開けられるので異なるソフト間でのデザインのやりとりに便利です。

  4. クリッピングパスのサポート
    画像に「クリッピングパス」を追加して好きな形状に切り抜けます。

  5. 印刷に最適
    PostScriptベースのため、高解像度の印刷環境での使用に最適です。

【注意点】
EPS形式は比較的古いフォーマットで現代のデザインやWebワークフローに必ずしも最適ではありません。多くの用途で他のフォーマットが使われています。とはいえ特定の印刷ワークフローや既存のアーカイブされたデータを扱う際にEPS形式が役立つことはあります。

【6】GIF 形式「 .gif(ギフ / ジフ)」とは?

「.gif(Graphics Interchange Formatの略)」は、色数の少ない「ビットマップ画像」および、シンプルな「アニメーション」に適したフォーマットで「透明部分」も保存できる軽いデータ形式です。ほとんどの画像編集ソフト(アプリ)でサポートされています。

【GIF形式の主な特徴】

  1. 256色の制限
    「8ビット」のカラーパレットを持っており「最大256色まで」保持します。この色制限によりファイルサイズを最小限に抑えます。Web上での「アイコン」や「シンボル」などの低カラー画像に最適。

  2. 透明性の保存
    1色を透明に指定できるため、背景を透過したい「アイコン」や「ロゴ」などに使え、WEBデザインでの背景色や背景画像との組み合わせにも最適です。

  3. アニメーション
    Photoshopは「アニメーションGIF」を作成できます。複数の画像フレームを1つのファイルに保存しアニメーションとして再生します。この機能によりアニメーションGIFはWeb上で広く利用されています。

  4. 非可逆(ヒカギャク)圧縮
    非可逆圧縮「LZW(エルゼットダブリュー) (Lempel Ziv Welchの略) 」技術(データの一部の劣化や改変を許容し極限まで圧縮する手法)によりファイルサイズを効率よく削減します。

【注意点】
GIF形式はグラデーションのかかった多彩な画像には向きません。通常、高品質カラー写真の保存には、JPEG形式が使われます。

【7】IFF 形式「 .iff(イフ)」とは?

「.iff(Interchange File Formatの略)」は、画像、テキスト、音声、ビデオなど複数の種類を関連付けて保存できる汎用フォーマットです。「Amigaコンピュータ」用のソフトウェアでの使用を目的に設計されました。

現代の汎用的な使用には適しませんが、特定のレトロなソフトウェアやハードウェア環境での使用を目的にサポートされています。

【IFF形式の主な特徴】

  1. ILBM基盤ベースカラー
    画像データを格納するファイルフォーマットILBMによりパレットベースの色情報を持ち一定の色数の制限があります。

  2. HAM(ホールドアンドモディファイ)モード
    Amigaの特有のHAMモードで、より多くの色を表示するための技術です。

  3. モジュール式の拡張性
    モジュール方式のフォーマットにより、オーディオ、ビデオ、テキスト、画像など異なる種類のデータを保持し同じファイル内での管理ができます。
    ※モジュール方式とは、システムの様々な機能をグループ分けした後に各グループを独立したユニットとして再編成する手法をいいます。
  4. チャンクベース
    各データは「チャンク」と呼ばれるセクションに分割され異なる種類のデータを組み合わせて保存します。
  5. ロッシー圧縮(非可逆圧縮/有損失)
    非可逆圧縮の「LZW(エルゼットダブリュー・Lempel Ziv Welchの略)技術」によりファイルサイズを削減するのでデータの一部が失われる可能性はあります。

    【8】JPEG 形式「 .jpg / .jpeg(ジェイペグ)」とは?

    「.jpg / .jpeg(Joint Photographic Experts Groupの略)」は、デジタル画像の圧縮と保存のための拡張子です。実質すべての画像編集ソフト(アプリ)とブラウザで使われ、特にデジカメ等の撮影機器での写真撮り画像への保存に使われます。

    【JPEG形式の主な特徴】

    1. 可変圧縮率
      保存時に圧縮率を「低圧縮〜高圧縮」まで段階的に調整できます。加圧の度合いで品質を上げれば画像は鮮明に、下げれば画像は粗くファイルサイズを縮小します。「非可逆圧縮(ロッシー圧縮)」により画像情報のドットを間引いてデータ量を削減します。
    2. 広範囲なサポート環境
      Webブラウザ、デジタルカメラ、スマートフォン、電子メールやSNSなどのデジタル画像で標準的に使われます。
    3. Exif(エグジフ)情報の記録
      デジカメやスマホで撮影した写真の「撮影情報(日時、露出、GPS情報など)」を埋め込める機能である「Exif(Exchangeable image file format)」が組み込まれています。

      【注意点】
      JPEG形式は「ビットマップ画像」のみが保存対象で「ベクター画像」や「透明性」は対象外です。透明性も保存したい場合は「PNG形式」など他形式を。またJPEG形式は「非可逆圧縮」のため、編集を繰り返して再保存を重ねると画質が劣化し進けます。

      【9】JPEG 2000 形式「 .jpf(ジェイピーエフ) 」とは?

      「JPEG 2000 形式」は2000年に標準化された画像圧縮方式で、JPEG形式の「画質を改善」し「多機能性」を持たせた JPEG形式の進化版フォーマットです。

      今だWebブラウザやデバイスで一般に普及されるには至ってませんが、高品質な保存が求められる「文化遺産やアーカイブのデジタル化」「デジタル映画の配信」「DICOM形式などの医療画像規格」で使用されることがあります。

      【JPEG 2000 形式の主な特徴】

      1. 「ロスレス圧縮(可逆圧縮) 」& 「ロッシー圧縮(非可逆圧縮)」
        「ロスレス(無損失)圧縮」と「ロッシー(有損失)圧縮」両方をサポートしているため、画質の劣化を最小限に抑えながらの保存が可能。「高い圧縮率」と「高品質な画質」を両立させる「ウェーブレット変換」を用いた新しい圧縮アルゴリズムで一つのファイル内で「複数の品質や解像度」の画像を保存します。
      2. 透明性
        アルファチャンネルを通じて「透明な背景」を持つ画像も保存します。
      3. エラー耐性
        ファイルの一部が破損しても、残りの部分を表示できる設計です。
      4. メタデータ(付帯情報)
        ICCプロファイルやXMLデータなどのメタデータを埋め込みます。

      【注意点】
      通常の「JPEG形式」に比べるとファイルサイズは大きくなり、エンコードやデコードの処理速度が遅い場合があります。

      【10】JPEG ステレオ 形式「 .jps(ジェイピーエス)」とは?

      「.jps(JPEG Stereoの略)」は「3D(立体)ステレオ画像」を扱うための拡張子です。

      一般的にステレオ画像は、2つの異なる視点から撮影された画像のペアで、これを1つのファイルにまとめて表示・閲覧する技術によって立体的な視覚効果を得ます。

      Photoshopで作成(編集)した3Dコンテンツや JPEG画像、他の画像フォーマットは「JPEG ステレオ形式」で保存し、これにより「3Dテレビ」や「3Dディスプレイ」で表示され「VRコンテンツ」などでバーチャルリアルティの一部として使うことができます。

      【JPEG ステレオ 形式の主な特徴】

      1. 二つの視点
        1つのJPEGファイルに「左右の2つの視点からの画像」を含められる。
      2. 3D表示
        適切なハードウェアやソフトウェアを使用すると、立体的な画像として表示可能。
      3. 互換性
        JPEGとして保存されるため多くのデバイスやソフトウェアで開くことができる。
        ただし、ステレオ画像を3Dとして正しく表示するには専用のハードウェアやソフトウェアが必要です。

      【11】PCX 形式「 .pcx (ピーシーエックス)」とは?

      「.pcx(Picture Exchange Formatの略)」は、ZSoft社が1984年に開発した古い画像形式で、主にPC Paintbrushという画像編集ソフトウェアで使用されていました。1980年代から1990年代初頭まで、MS-DOSベースのWindowsPCでソフトウェアやゲームに広く使われていた「ビットマップ画像」形式の1つです。

      【PCX 形式の主な特徴】

      1. 圧縮
        RLE(ランレングスエンコーディング)というシンプルな圧縮技術で「非可逆圧縮」をサポートした軽量なファイルです。これは、連続する同じデータ(色)を繰り返しの長さとデータの組み合わせとして圧縮する方法です。
      2. カラー
        PCX形式は当初、1ビットモノクロから開始され、後に8ビット(256色)と24ビット(1670万色)へと拡張されています。
      3. ヘッダー情報
        画像の幅、高さ、色情報などを含むヘッダー情報が含まれています。

      現代のグラフィックデザインや画像編集では、より進化した「JPEG」「PNG」「TIFF」などの形式が主流で、「PCX」は古いソフトウェアやハードウェアでの互換性を保つために残された形式といえます。

      【12】Photoshop PDF 形式「 .pdf(ピーディーエフ)」とは?

      Photoshopの「.pdf(Portable Document Formatの略)」は、Photoshopで開いたデータをPDFファイル内に保存した拡張子です。多くのデジタル環境で簡単に表示、共有、印刷が可能です。

      Photoshop PDF形式は、印刷業界やプレゼン資料の作成、ユーザーマニュアル、学術論文、契約書、電子書籍などの電子文書や、高品質画像の共有など様々な用途で利用されています。

      【Photoshop PDF 形式の主な特徴】

      1. 互換性
        PDF形式は業界標準のフォーマットですので、ほとんどのコンピュータやモバイル端末で表示できます。

      2. 多機能性 & 高品質
        保存の際に、Photoshopで作成したテキスト、ビットマップ画像、ベクターグラフィックス、インタラクティブな要素(ボタンやリンク)、動画、音声など、さまざまなコンテンツを組み込むことができるので、後の再編集に便利です。

      3. セキュリティ
        パスワード保護や印刷、編集、コピーの制限、文書の暗号化、署名などのセキュリティ機能が備わっているため、機密文書の共有に最適。

      4. 様々な出力オプション
        出力の品質、解像度、色スペースなどの詳細な出力オプションにより、目的に応じて画像のクオリティやファイルサイズを調整できるので高品質コンパクトな保存が可能。

      【13】Pixar 形式「 .pxr(ピクサー )」とは?

      「.pxr(Pixarの略)」は、「Pixar Animation Studios」で使用される「Pixar Image Computer」のためのネイティブ ファイル形式です。

      【Pixar 形式の主な特徴】

      1. 32ビットの浮動小数点データ
        32ビットの浮動小数点データのサポートにより広いダイナミックレンジと詳細なシャドウやハイライト情報を保持。
      2. HDR(ハイダイナミックレンジ)画像
        高品質のグラフィックス「HDR」がサポートされ、ディテールや色の深みを失わない高精度の画像を保存。非常に広い輝度範囲を持つシーンを表現するのに適しています。
      3. 3Dレンダリング
        3Dアニメーションのレンダリングや合成作業で非常に詳細な画像情報を扱えます。
      4. ディープコンポジティング
        複数の3Dレンダーレイヤーやエレメントを組み合わせる際に、ピクセルごとの深度情報を持つことができます。

          【留意点】
          Pixarは映画業界で有名な3Dアニメーション制作スタジオでスタジオの早い時期にハードウェアとイメージファイル形式の開発を行い歴史的な背景や特定の技術的ニーズに応じた関与するプロジェクトで相互運用性があります。

          ただし、現代のCGやVFX業界では、OpenEXRやその他のハイダイナミックレンジフォーマットが主流となっており、Pixar形式は一般的にほとんど使用されません。それにも関わらず、Photoshopや他のソフトウェアには古いプロジェクトや特定のワークフローでのニーズに対応するためにPixar形式のサポートが維持されています。

          【14】PNG 形式「 .png(ピング / ピーエヌジー)」とは?

          「.png(Portable Network Graphicsの略)」は「透明・半透明」を持つ画像に適した拡張子です。特にWeb上での画像表示によく使われ、ゲームやアプリケーション開発にも利用されますが、「JPEG形式」や「GIF形式」に比べると高品質な分、ファイル容量は重くなります。

          【PNG 形式の主な特徴】

          1. ロスレス圧縮(可逆圧縮)
            PNG形式は画質を失わずに圧縮できる「ロスレス圧縮方式」で画像のディテールが保持されるため高画質です。逆の「ロッシー圧縮(非可逆圧縮)方式」の「JPEG形式」などは、圧縮するたびに画質が低下します。

          2. 透明性
            アルファチャンネルを持っているため、背景に「透明部分」を持つ画像の「完全透明から不透明までの透明度」の情報を保持します。

          3. 広範な色
            「8ビットのグレースケール」から「24ビットのRGBフルカラー」まで様々なカラーデプス(色深度)をサポート。

          4. インターレース機能
            画像が段階的に表示される「インターレース機能」によりダウンロード中や遅い接続での閲覧時にも一部の内容を早く再現します。

          5. 背景のガンマ補正
            異なるコンピュータやディスプレイでの色の違いを補正する機能があり、多くのデバイス端末やブラウザで表示の互換性が高いです。

          【15】Portable Bit Map 形式「 .pbm(ピービーエム)」とは?

          「PBM形式(Portable Bit Mapの略).pbm」は、Netpbm形式の一部の拡張子で主にUNIXベースのシステムで利用される「ビットマップ画像」のフォーマットです。

          【PBM 形式の主な特徴】

          1. モノクロイメージ
            2色のモノクロ(黒と白)画像を保存します。

          2. シンプルな構造
            非常にシンプルな構造で「ASCIIテキストベースの形式(P1)」と「バイナリ形式(P4)」の2つのバージョンがあり「ASCII形式」は人間が読み書きしやすいテキストとして、「バイナリ形式」はファイル容量を軽くするために使われます。
            ※ファイルのヘッダ部分には、フォーマットのタイプを示す「マジックナンバー」(PBMの場合は「P1」または「P4」)が記載されており、その後には画像の幅と高さ、そして画像データが続きます。

          3. Netpbmパッケージ
            PBMはNetpbm形式の一部で、他にも「PGM(Portable GrayMap)」や「PPM(Portable PixMap)」などの派生形式があります。それぞれ「PBMはモノクロ画像」「PGMはグレースケール画像」「PPMはRGBカラー画像」を保持し、これらの形式は「非圧縮」でプログラムの編集や解析には容易ですが、その分ファイルサイズは大きくなります。

          4. 汎用性
            PBMは様々なプラットフォーム(基盤となる環境)や画像処理ツールでサポートされ画像の変換や処理のための中間形式としても使われることもありますが、基本的過ぎる構造のため現代主流の画像エディタ(ビューア)ではサポート外の場合が多いです。

          5. Photoshopとの互換性
            Photoshopでは、これらの形式をインポートおよびエクスポートできますが、主に古いシステムや特定の技術的環境での利用を目的とし、現代のグラフィック作業には他の高度なフォーマット(例: JPEG, PNG, TIFF)が通常、使用されます。

            【注意点】
            用途としては、そのシンプルな構造から画像処理プログラムの初学者入門の学習に使用されることがあり、また特定のツールやプログラムでの中間形式にも使われますが、現代の主要な用途や商業的な環境での使用は限定されます。

            【16】Scitex CT 形式「 .sct(エスシーティー)」とは?

            「.sct(Scitex Continuous Toneの略)」は、Scitex社(後にCreo、さらにその後はKodakの一部として)が開発した高解像度の印刷業界向け画像フォーマットです。(Scitex社は、かつて高品質な印刷と画像処理機器の製造を行っていた企業でした。

            【Scitex CT 形式の主な特徴】

            1. 高品質印刷用 & 非圧縮
              高解像度の印刷物、特にプリプレスや出版業界での使用を主目的とし、非圧縮で、印刷業界の要求を満たす高品質な画像データを保持します。

            2. CMYKカラー
              主にプレス印刷で使用されるCMYKカラーモードをサポート。

            3. 1ビットデータ & バイナリフォーマット
              点線スクリーン画像のための1ビットのイメージデータもサポートします。バイナリベースです。

            4. バイナリフォーマット
              バイナリベースであるため、専用のソフト(アプリ)でないとファイルを読み取れません。

            【注意点】
            Scitex CT形式は一時期、印刷と出版の業界で広く採用され
            特に高品質なカラーセパレーションや画像処理が必要な環境で頻繁に使用されましたが、現代のデジタル印刷技術の進化に伴い他の形式(例:TIFF, PSD, PDF)に取って代わられ、この形式の使用は減少している傾向にあります。

            【17】Targa 形式「 .tga(ターガ / ティージーエー)」とは?

            「Targa形式(Truevision Advanced Raster Graphics Adapterの略).tga」は、Truevision社が開発したビットマップ画像のフォーマット。主にゲーム開発者やグラフィックのプロによって多くのゲームやアニメで使用されています。

            【Targa 形式の主な特徴】

            1. カラーモードのサポート
              モノクロ、インデックスカラー、RGB、CMYKなど、さまざまなカラーモードをサポートしています

            2. 広いビット深度
              8-bitから32-bitのカラーデプス(色深度)を持ち高品質な画像を扱えます。
            3. アルファチャンネル
              32-bitのTGAファイルは、透明性や半透明性を持つアルファチャンネルをサポートしています。

            4. 圧縮
              「非圧縮」と簡易的な「RLE(ランレングス)圧縮」の2バージョンを持ち、RLE圧縮によりファイルサイズは若干削減されます。

            5. シンプル構造
              シンプルなフォーマット構造で多くのビデオゲームやアニメーション、グラフィックソフトで容易に使用されます。

            【注意点】
            TGA形式は、特定の用途や状況下で依然として使用されることがありますが、現代のデザインやゲーム開発のワークフローではPNG形式やJPEG形式、DDS形式など他の進化したフォーマットが主流です。

            ※ゲーム開発の初期の段階や中間段階でTGA形式はテクスチャとしてよく使用されました。映像制作やアニメーション制作においてもTGAシーケンスはフレームごとの画像として使われていました。

            【18】TIFF 形式「 .tif / .tiff(ティフ)」とは?

            「TIFF形式(Tagged Image File Formatの略)」は、ラスターおよび、ビットマップ画像を保存する拡張子で「プリプレス印刷」や「フォトレタッチング」の業界で広く使われ事実上すべてのDTPアプリ・画像編集アプリ・ペイント系アプリで動作します。印刷、出版、写真編集、スキャンニングなど多くのソフト(アプリ)や機器で使われ「業界標準」のフォーマットです。

            【TIFF形式の主な特徴】

            1. 可逆(ロスレス)圧縮
              可逆圧縮のため画質が劣化せず保存の際に、高解像度のままファイルサイズを削減できます。

            2. 多彩なカラーモード
              RGB、CMYK、Lab、グレースケール、インデックスカラー、アルファチャンネル、アルファチャンネルが無いモノクロ 2 階調、パレットベースなど様々なカラーモードをサポートします。

            3. アルファチャンネル(透明性)
              グラデーションなどの透明部分・透明性やマスク情報を持つ画像をサポートします。

            4. レイヤーサポート
              一部のTIFFオプションでPhotoshopのレイヤー情報を保存します。

            5. 高ビット深度
              8-bitから32-bitのイメージデータをサポートしています。

            6. メタデータ(詳細情報)
              カメラの設定、著作権情報、「注釈」や「複数解像度」などのメタ情報の保存ができます。

            7. コンテナファイル
              「複数のJPEG画像」をメール送信したい場合に「JPEG画像」の解像度を低く小さくして「ひとつのTIFF」にまとめたコンテナファイルとして保存できます。

            【留意点】
            TIFF形式の主な利点が「柔軟性と汎用性、高品質な画像」にあり印刷業界や写真家に依然として人気があります。しかしファイルサイズが大きいため、Webでの使用には不向きです。

            【19】WebP 形式「 .webp(ウェブピー)」とは?

            WebP形式は「Web用」に特化した画像フォーマットです。ファイル容量を最小化しながら高画質を実現します。JPEG形式やPNG形式以上の画質を目的としてGoogle社が開発。多くのWebブラウザはネイティブでWebPをサポートしています。

            【WebP形式の主な特徴】

            1. 効率的な圧縮
              非常に高い圧縮率で画像の品質を維持し、ロスレス(可逆・無損失)とロッシー(非可逆・有損失)両方の圧縮方法をサポートします。
            2. アルファチャンネル(透明性)
              透明なピクセルを持つ画像(PNGやGIFのような)を保持します。これはアルファチャンネルを持つ画像の圧縮に非常に効果的です。

            3. アニメーション
              GIFのようなアニメーションを高い色深度でサポートします。

              【留意点】
              Photoshop 23.2からWebP形式が完全サポートされました。以前は(Photoshopのバージョンによりますが)追加のプラグインやツールをインストールがWebP形式の編集や保存やエクスポートに必要でした。

              【20】マルチ画像形式「 .mpo(エムピーオー)」とは?

              「.mpo(Multi Picture Objectの略)」は、3D撮影装置で撮影された立体的画像のためのフォーマットです。

              【マルチ画像形式の主な特徴】

              1. 3Dデジタルカメラ画像
                3Dデジタルカメラによる「2つのレンズ」と「2つの異なる視点」から撮影したJPEG画像を格納します。ファイルには2つの異なるレンズから撮影された同じオブジェクトやシーンの「2つの画像」が含まれ、水平方向に離れています。これにより左右の視点からの画像を組み合わせて1つの3D効果を作成します。

              2. ファイルサイズ
                一般的にMPOファイルは2つの画像を含むため同じ解像度の通常のJPEGファイルの約2倍のサイズになります。通常1シーンに2つの画像ですが、機能的には1つのファイルに無制限の数のJPGファイルを入れることができます。
              3. 視覚的に表示
                2カテゴリに分割されたMPOファイルを正しく表示するためには、3D対応のディスプレイや3D対応メガネ、または特別なソフトウェアやハードウェアが必要です。

              【21】汎用フォーマット 形式「 .raw(ロウ)」とは?

              RAW形式 .rawは、「原料」や「未加工」を意味する英語の"raw"から名付けられた未加工画像ファイルの拡張子です。プロの写真家や高度なアマチュアフォトグラファーは、撮影後にRAW写真を画像編集ソフトを使い完成度を上げることが多いです。通常RAW画像は、多くのデータ保存容量、高度な写真撮影、後処理の編集能力が必要になります。

              【RAW形式の主な特徴】

              1. 未加工の画像データ
                カメラセンサーから色情報や露出の詳細を直接取得したナマ画像です。劣化のない最大限の画質ですが未加工の性質上ファイルサイズは大きくなります。
              2. 非圧縮
                通常、圧縮されずに保存されますが、一部のカメラでは「ロスレス(可逆/劣化なし)圧縮」オプションが提供されることがあります。
              3. 柔軟性
                画像編集の柔軟性が非常に高く、露出やホワイトバランス、カラーグレーディングやシャープネスの調整等を撮影後に設定します。編集の自由度を最大限に活かせます。
              4. 特定のカメラに固有のRAW機能
                各カメラメーカーやモデルごとに(例:Canonの.CR2、Nikonの.NEFなど)独自のRAWファイル形式があることが一般的です。そのため特定のソフトウェアやプラグインが必要になることがあります。

              【22】Photoshop DCS 1.0 形式「 .eps(イーピーエス)」とは?

              「Photoshop DCS 1.0(Desktop Color Separationsの略)」は、特定の印刷用途に使う色分解出力に特化したフォーマットです。

              Photoshop DCS 1.0を選択して保存すると「EPS形式ファイル」と「C、M、Y、K 4つの版」の合計5つのファイルが生成されます。この「EPS形式ファイル(Encapsulated PostScriptの略)」は「Photoshop EPS形式(印刷目的で開発された画像形式)」の変種タイプです。

              保存形式「DCS 1.0」拡張子

              【DCS 1.0の主な特徴】

              1. カラーセパレーション(色分版)出力
                主ファイルのEPS形式を抽出し、CMYKの各カラーチャンネル(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)を分けて生成します。ただし(1.0では)「マルチチャンネル(特色・スポットカラー)」はサポート外になります。

              2. 個別チャンネルの編集
                Photoshopで各色のチャンネルを個別に編集、トーンカーブやカラーバランスなどの調整が簡単にできます。(Photoshop以外の画像ソフトでの編集は難しい。)

              3. 互換性の制限
                特定のアプリケーションやプリンタでのみでのサポートになります。

              留意点】
              DCS形式は
              昔の印刷前(プリプレス)環境一般に使用されましたが、進化した現代の印刷技術やデジタルワークフローではPDF形式など他の汎用的なフォーマットがあるので扱われていません。稀に特定の印刷要件で使用される場合はあります。

              【23】Photoshop DCS 2.0 形式「 .eps(イーピーエス)」とは?

              「Photoshop DCS 2.0」は上記「DCS 1.0」の機能を更に向上させたフォーマットです。

              【DCS 2.0の主な特徴とDCS 1.0との違い】

              1. 拡張されたカラーセパレーション出力
                上記「DCS 1.0」の「5つのファイル(1つのメインファイルと4つのCMYKカラーチャンネルファイル)の生成」に加えて「スポットカラー(特色)マルチチャンネルカラーモード」や「コンポジット」のサポートにより必要に応じてこれらも生成されます。これによりファイル数が増えますが、それらを単一のファイルとして保存するオプションもあります。

              2. 高度な印刷オプション
                複雑な印刷要件を持つプロジェクトでカスタマイズや柔軟性が向上します。
              3. 互換性
                DCS 2.0の単一ファイルオプションはプレビュー画像が埋め込まれているため、DCS 1.0よりは、多くのアプリケーションでの表示や印刷が可能になっています。

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