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フォトショップで画像の【モード】を設定!特徴は?違いは?
画像のベースカラーになる構成要素「色指定形式」は「モード」で設定します。
デジタル画像にさまざまな編集をかけたり、印刷したり、創作した画像をどう使いたいか?を考えて見合うカラーモードを設定します。
カラーモードは[イメージ]メニュー→[モード]から選択します。
RGB カラー( 1,670万色〜 )モード
RGBカラーは R(赤/レッド)、G(緑/グリーン)、B(青/ブルー)の光の3原色で構成するカラーモードです。
RGB各色に 0(ブラック)〜 255(ホワイト)までの明るさの値を割り当てカラーを再現します。
Webページ、ゲーム、映像、デジカメ、家庭用インクジェットプリンタでの出力、ほとんどのスキャナやコンピュータのモニタはRGBカラーを使用しています。
PhotoshopのRGBカラーは1,670万以上もの色表現で再現されるため、画像を他のカラーモードへ変換した後でも画質の劣化は最小限になるよう設計されています。
RGBカラーはPhotoshopのすべての編集機能が使える「基本モード」です。それ以外のカラーモードでは利用できない機能があることを考えると、モード変換のタイミングは編集後にした方が良い場合もあります。
CMYK カラー(4色刷り)モード
CMYKカラーは C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色分解を使用するオフセット印刷や印刷用インクを使用する機器で出力するためのカラーモードです。
オフセット印刷で使用するプロセスインクのパーセント値に基づき、CMYK各色に0〜100%の値を割り当て編集します。
主に印刷データの入稿用に使うのですが、入稿先で使用されるインクや印刷機、製版時の条件によって仕上がる色は(画面上のデジタル光カラーとは物理的な性質が異なるため)多少、想定した色とは異なってきます。
【 留意点 】
4色分版を行う際には、色要素をCMYK印刷で表現できるカラー値に計算して再構成するため「RGBカラー」や「Labカラー」に比べると蛍光色等は再構成され大きく色表現が変わることがあります。
他のモードとCMYKカラーとの間で繰り返しモード変換を行った場合、その都度カラー値を再計算するため色の精度は落ちてしまいます。モード変換は最小限に押さえた作業を。
Lab カラー(人が認識できる全色)モード
Labカラーは、輝きの要素(L)、グリーンからレッドへの色構成要素(a)、ブルーからイエローへの色構成要素(b)で設定します。
人間が認識できる色の範囲をすべて数値化できる色の領域とその指定の方法です。
輝きの要素(L)を0〜100で表し、グリーンからレッドへの色構成要素(a)とブルーからイエローへの色構成要素(b)を-127〜128で設定します。これにより、明度とカラーを別々に編集できるので色調補正の際に便利です。
モニタや、デスクトッププリンタ、デジカメなどのデバイスに「カラーの見え方」を定義してカラー再現します。
これは「特定の色の要素がどの程度必要か」という定義とは異なる「デバイスインディペンデントカラー」でデバイスに依存しないカラーモデルです。
8bit〜16bit/チャンネルの編集が可能で、あるカラースペースから、別のカラースペースに変換する時などに「Labモードをカラー基準」として使用するので、最初から最後までLabモードで画像編集するということは通常ありません。
マルチチャンネル モード
マルチチャンネルは、チャンネルごとに「256階調のグレースケール」の版に変換したいときに選択します。
特殊な印刷物で使われますが、マルチチャンネルモード画像をレイアウトに貼ることはできません。
保存形式は Photoshop、ビックドキュメント形式(PSB)、Photoshop 2.0、Photoshop 汎用、Photoshop DCS 2.0 の各形式となります。
グレースケール(256階調のグレー)モード
グレースケールは白黒画像を表示するためのモードで、カラー情報を持たない「256階調のグレースケール」で表現します。
そのため「チャンネルは1つだけ」になり、0(ブラック)〜255(ホワイト)までの「明るさ(輝度情報・明暗)の値」を割り当てて表示します。
このモードでは「フィルタ機能」の利用はできますが、「カラー情報」に関する機能は利用できません。
ダブルトーン モード
ダブルトーンは、高品位モノクロ写真印刷を行うときに使用します。
ダブルトーンを設定するには、画像を一度「グレースケール」に変換してから「ダブルトーン」を選択します。
ダイアログボックスで版数と使用インキ及びトーンカーブを設定し、インキの分布を調整します。
ダブルトーンに使用するインキは、実際の印刷時に色をのせていく順番に設定します。
通常は色の濃いものから選ぶようにします。
また、ダブルトーンに設定した画像を「他のソフトに貼り込んで分版」する際には、そのソフトにPhotoshopで設定したダブルトーンの使用インキと同じ名前の特色インキが設定されていなければ正しく分版されません。
(PANTONEやDICを使用する際でも名前のどこかにスペース等が入っていただけで違う名前と認識するので注意が必要です。)
「プロセスカラーで分解」する場合はシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックと名前を付け「特色インキを使用」する場合は必ず同じ名前を設定してください。
モノクロ2階調 モード
スキャナでロゴ等の「白黒画像」を取り込んだときは、モノクロ2階調になっている場合がよくあります。
モノクロ2階調のままですと画像への編集機能が制限されるので編集作業の段階では他のモードで行ってください。
「カラー画像」をモノクロ2階調に変換するには一度「グレースケール」に変換してから「モノクロ2階調」に変換します。
インデックスカラー(最大256色)モード
インデックスカラーは、カラー画像を(1,677万色あるフルカラーではなく)256色の色数に制限します。
これは「GIF」や「PNG-8形式」および「多くのマルチメディア アプリ」が対応している標準的なカラー数で8bit/チャンネルのみ編集が可能です。
インデックスカラーへの変換によりカラー情報を削除するため、ファイル容量は小さくなります。
8Bits/チャンネル・16Bits/チャンネル・32Bits/チャンネル モード
ビット数とは「ピクセル深度」または「カラー深度」とも呼ばれ、画像の各ピクセルの表示やプリントに使用できるカラー情報の量のことをいいます。
「ビット数が大きい」とピクセルあたりの情報の「ビット数が多い」ことになり、デジタル画像をより多くのカラーで正確に再現できるようになります。
例えば、
ビット数が1のピクセルは、ブラックまたはホワイトのいずれかです。
ビット数が8のピクセルは、2の8乗、つまり256の値を取ることができます。
例えば、
RGB画像なら、R、G、Bの3つのカラーチャンネルで構成されています。
1ピクセルあたり8ビットのRGB画像では、各チャンネルについて256の値を取ることができるので、約1,677万を超えるカラー値を表現することができます。
通常入力した画像では「8Bits/チャンネル」にチェックが入っていますが、微妙な色調補正を行う場合に「16Bits/チャンネル」「32Bits/チャンネル」に切り替えます。
ただし「16Bits/チャンネル」では色調補正やフィルタ、保存形式でかなり制限があり、ファイルサイズも2倍になります。
「32Bits/チャンネル」は「32Bitsハイダイナミックレンジ(HDR)画像」対応で、実際の視覚的な世界のダイナミックレンジ(暗い部分と明るい部分の比)を再現できる可能性が広がりました。
HDR画像は映画、特殊効果、3D作品、一部のハイエンド写真などで使用されています。
編集後にモード変換すると「レイヤー統合」の警告が!
編集レイヤーやスマートオブジェクトなどを重ねた後でモードを変更すると画面に「レイヤーを統合」の警告メッセージが現れます。
RGB・CMYK・グレースケールは、カラー設定の作業用スペースプロファイルに基づいて変換されます。編集の前提が崩れるので今まで制作した全レイヤーを破棄した1枚画像化を強いられ、結果的に再編集はできなくなります。
ちなみに1枚画像化の選択肢ですが、適用した機能によって変わり「統合」「結合」「ラスタライズ」のいずれかが表示されます。
また、元のモードに復元しようと再変換し直した場合にも同じカラー値にはなりません。
編集後にモード変換が必要になった場合は変換前のバックアップを作成し、モード変換は編集の一番最後に行います。
最初に適切なモードを設定してから編集を進めることは重要です。そのことで思わぬ色調の変化やレイヤー統合のトラブルを防ぐことができます。