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フォトショップの動作が重くなった時の対処法
「Photoshopが重くて作業が進まない…」
「編集中にフリーズしてしまった…」
Photoshopで編集を続けると合成や効果レイヤーなどのデータ処理が積み重なって、徐々に編集処理や保存速度が落ちてきたり、画面が固まったり、未保存のデータが消えたり、アプリが落ちて最悪データが壊れることもありえます。
内蔵メモリは常に負荷がかかっている
私達の操作過程は、デバイス(PC・スマホ等)内部のメモリに一時記憶として記録されコピペなど次の操作に備えたり裏で様々に機能しています。
留意すべきはメモリの許容量で限界値に達したときに操作がバグるトラブルです。編集中のこまめな上書き保存「ショートカット・⌘(Ctrl)+ S」を習慣化することでメモリにかかる負担を開放することが重要です。
それではPhotoshopの動作を軽くする具体策を解説していきます。
1.ヒストリーのメモリをクリアにする
Photoshopでファイルを開くと始まるのは編集履歴(ヒストリー)の自動保存で「ヒストリーの管理パネル」に編集過程が1つ1つ記録されます。
「ヒストリーパネル」の表示方法
画面にヒストリーパネルが出ていない場合は、メニューから[ウィンドウ]→[ヒストリー]で表示します。
「ヒストリーパネル」の使い方
過去に戻って編集をやり直したいときに、ヒストリーパネルで目的の箇所を押すと、そのタイミングまで一気に戻れます。
ヒストリーのメモリを開放する
編集履歴が増えていくとPhotoshopが重くなるためメモリの記録を開放します。
[編集]→[メモリをクリア]→[すべて]→[この処理は取り消しできません。続行しますか?]→[OK]
メモリをクリアすると前の段階に戻る「ショートカット:⌘(Ctrl)+ Z」操作をしても戻れません。この処理は取り消せないのでタイミングに注意してください。
ちなみに、ヒストリーの記録はファイルを閉じた時点で自動的にリセットされます。
2.「ヒストリー数」と「キャッシュ」を環境設定で最適化する
キャッシュレベル・タイルサイズ・ヒストリー数を環境設定で最適化します。
- Mac[Photoshop]→[設定...(環境設定)]→[パフォーマンス]
- Windows[編集]→[環境設定]→[パフォーマンス]
環境設定を開くショートカット
【Mac】⌘+K・【Windows】Ctrl+K
「最適化の各ボタン」で「キャッシュレベル」と「タイルサイズ」を軽く調整する
キャッシュレベルとは?
キャッシュレベル(右側)は、一時記憶(メモリ)から画像を戻すときの表示速度で1〜8段階(デフォルトは4)の中から選べます。レイヤー数が50以上あるWEBやUIデザインを速く進める値は「2」、通常の写真やイラスト編集なら「4」です。
キャッシュタイルサイズとは?
キャッシュタイルサイズ(右側)は、Photoshopが一度に処理するデータ量(サイズ)を指し、128K・132K・1024K・ 1028K があります。
- 128K・1024K・・・Intel Core プロセッサの場合
- 132K・1032K・・・Intel Pentium 4・AMDの場合
タイルサイズが大きいと1回で大きく読めるため大画像でも編集を高速処理で行え、小さいとレスポンス(応答)が向上します。
最適化ボタンでキャッシュの推奨値を確認する
左側に3つある最適化の各ボタン(WEB/UIデザイン・初期設定/写真・超特大ピクセル寸法)をそれぞれ押すと、右側に各キャッシュの推奨値が表れます。自分の作業スタイルに合う設定を選びます。
私のiMacはCore i5で特異な編集もしないため、デフォルトの「初期設定/写真」で「キャッシュ4・タイル1024K」のところを「タイル128K」に下げてもスムーズに使え軽くなりました。
「ヒストリー数」を下げる
右側にあるヒストリー数を少なくして、メモリの一時記憶容量を減らします。
ヒストリー数とは?
ヒストリー数とは、編集履歴を保持する最大数のことです。スライダーを押すと1〜1000まで選べますがデフォルトの50は重いので「20」前後に減らします。
環境設定の変更は、Photoshopを再起動することで反映されます
3.「自動保存しない」もしくは「自動保存の間隔を長くする」
「バックグラウンドでの自動保存」が作動していると、編集中にデータがクラッシュしてもデータの復元が見込めます。反面、自動保存はメモリ負荷が高く、操作がバグったり重くなる原因になりえます。
また、編集中に勝手に上書き保存されると、編集を保存前の段階に戻してやり直したい場合に[ファイル]→[復旧]で戻れなかったり、保存内容が完璧でもないので、1番確実な保存方法は手動での「上書き保存/ショートカット ⌘(Ctrl)+S 」をこまめに行うことです。
「環境設定のファイル管理」で自動保存をやめる調整を!
「バックグラウンド保存をオフ」もしくは「保存の間隔を長め」に変更します。
- Mac[Photoshop]→[設定...(環境設定)]→[ファイル管理]
- Windows[編集]→[環境設定]→[ファイル管理]
環境設定を開くショートカット
【Mac】⌘+K・【Windows】Ctrl+K
1.「バックグラウンドで保存」はオフ
[ファイル管理]→[バックグラウンドで保存→□チェックをはずす]→[OK]
※デフォルトはチェックが入っています。
2.「自動保存」の間隔を長めに変更
自動保存をやめるのが不安な場合は、保存間隔を長くしてメモリ負荷を軽減します。
[バックグラウンドで保存:チェックマーク付ける]→[復元情報を次の間隔で自動保存]→[リスト( 5分・10分・15分…)の中から1時間 or30分を選択]→[OK]
環境設定の変更は、Photoshopを再起動することで反映されます
4.メモリの割り当て(RAM容量)を増やす
コンピュータの内蔵メモリのPhotoshopに割り当てる領域を増やして処理速度を上げます。
操作中に「コンピュータのメモリが不足しています」や「使用可能なメモリ RAMが不足しています」の警告が表れた時もメモリ(RAM)容量を増やす必要があります。
※「RAM(ラム)」とは、Random Access Memory(ランダム・アクセス・メモリ)の略で、データの読み書きができる部品です。
- Mac[Photoshop]→[設定...(環境設定)]→[パフォーマンス]
- Windows[編集]→[環境設定]→[パフォーマンス]
「Photoshopで使用する容量」の調整は「スライダー」か「+−ボタン」で少しずつ5%程度から徐々に増やしながら「効率」インジケーターを見たり実際の挙動確認を行います。
Adobe公式では「85%以上のメモリ設定は非推奨」とあり、Photoshopのメモリ割合を大きくし過ぎると他のシステムやアプリの使用量が減ってデバイス全体のパフォーマンスが低下します。
環境設定の変更は、Photoshopを再起動することで反映されます
個々のデバイス(PC等)によってメモリサイズ(4GB・8GB・16GB・32GB・64GB...等)や、アプリの使用状況が異なり適切な値はそれぞれ違ってきます。
メモリ容量とは?
メモリとは、操作内容を一時的に記録しておくデバイス内の部品を指します。メモリを「机の面積」で例えるなら、広い机は色々な書類を多く載せられて作業がスムーズに運びますが、狭い机は少しの書類しか載らず落下したり作業が遅くなったりします。
メモリ容量は多いほど操作は軽く快適になります。
5.仮想記憶ディスクを物理的に増やす
仮想記憶ディスクの空き容量を増やすと作業用の領域が物理的に増えるので、結果的にパフォーマンスは向上します。
仮想記憶ディスクとは?
仮想ディスクとは、一時的に作業データを記憶させておくHDD(ハードディスク・ドライブ)やSSD((ソリッドステート・ドライブ))領域を指します。Photoshopはメモリに収まりきらない一時記憶をこの領域に仮保存します。
「仮想記憶ディスクの空き容量不足」とアラートが出た場合
操作中に「仮想記憶ディスクの空き容量がありません。」のエラー画面が表れるのは、一時記憶をするためのディスクの空き領域が不足したためです。この場合も仮想記憶ディスクを追加して空き領域を増やす必要があります。
- Mac[Photoshop]→[設定...(環境設定)]→[仮想記憶ディスク]→[設定を変更]→[OK]
- Windows[編集]→[環境設定]→[仮想記憶ディスク]→[設定を変更]→[OK]
上図のように環境設定で有効なドライブを増やして空き領域を確保します。専用のドライブの方がPhotoshopは高速に動作するため、仮想記憶ディスクを起動ディスク以外のドライブに変更するのも良い方法です。最善は空き容量が十分にあって速度が速いSSDを指定することです。
環境設定の変更は、Photoshopを再起動することで反映されます
6.不要なドキュメントウィンドウを閉じる
Photoshopで複数のファイルを開けていると重くなってしまいます。編集が終わったファイルがあれば、タブを×で押して消すことでメモリ消費量は減少し、そのデータ分が軽くなります。
7.定規やグリッドを非表示にする
Adobe公式サイト記載によるとPhotoshopを「定規」や「グリッド」を表示したまま使用し続けることで動作が重くなる可能性があるとのこと。
不要な定規は非表示にして、必要なときは随時、定規のショートカットキー「⌘(Ctrl)+R」を使うなどしてON/OFFの切り替えをします。
8.レイヤーのサムネイルを小さく
レイヤーのサムネイル(サムネ)を小さくする(または無くす)と動作が軽くなります。サムネは作業中にレイヤー内容を確認するための「小さい窓」の画像です。
[ウィンドウ]→[レイヤー]→[レイヤーパネル]→[右上「≡」→パネルオプション]→[サムネールサイズ→設定変更]→[OK]
レイヤーが多い方は、レイヤー数が多く出るので見やすいと思います。
9.スマートオブジェクトは「ラスタライズ」する
スマートオブジェクトはいろいろ便利な機能ですが、かなり重いので、使っている場合は編集処理が確定した時点でラスタライズします。
「ラスタライズする」とは、ベクトル画像から普通のビットマップ画像(ラスター画像)に変換することです。
[対象レイヤーの上で右クリック]→[レイヤーをラスタライズ]
10.不要なブラシやフォントを削除する
ブラシやフォントはPhotoshopに気軽に足せるので増えがちですが、起動時間が遅くなり操作も重くなります。使わないものは削除すると軽くなります。
ブラシの消し方
「ブラシパネル」を表示します。
[ウィンドウ]→[ブラシ]→[ブラシパネル]または、
[ツールバー]→[ブラシツール]→[(上部 V から)ブラシパネル]
[消去したいブラシを選択]→[右クリック]→[ブラシを削除]→[ブラシを削除しますか?→OK]
ホルダーごと消したい場合は
[ホルダーを選択]→[右クリック]→[グループを削除]→[OK]
フォントの消し方
Adobe Fonts をアクティベート(ダウンロード)し過ぎてしまったら整理しましょう。
ホームへ移動します。
[Windows:画面の右下・Mac:画面の右上「アドビマーク」選択]→[ホーム]
[(右側)Adobe Fonts]→リストの中から[削除したい「フォント」もしくは「ファミリー」を選択]→[(右上)点々3つ→フォントを削除]
ファミリーを削除することでフォントグループの細〜太フォントまですべて消えます。ファミリーの中のフォント1つのみでも消せます。
さいごに
もちろん一番の対策は、より高性能のコンピュータに買い替えることですが設定を見直すだけで結構、快適になったりします。
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