Photoshopの保存形式リスト

スポンサーリンク

Photoshop保存形式

Photoshopで画像を保存しようとすると、ずらりと並ぶ「拡張子」。「PSD」「JPEG」「PNG」「TIFF」…どれを選べばいいのか迷ったことはありませんか?

さらに最近のPhotoshop(Ver.23.1以降)では、「あれ?JPEGで保存したいのに『別名で保存』のリストにJPEGがない!『コピーを保存』ならJPEGがあるのに…どうして?」といった謎の仕様に戸惑うことも…。

第1章:「別名で保存」と「コピーを保存」で表示される拡張子の違いは?

「別名で保存」を選ぶのと「コピーを保存」を選ぶのとでは、表示される「拡張子のリストが違う」のはなぜか?

結論から言うと、Adobeが「元データを守る」ために仕様を変更した結果です。

✕ 以前のPhotoshop(〜Ver. 23.0)

  • Photoshop Ver. 23.0までは、「別名で保存」で、「PSD(レイヤー保持)」も「 JPEG(レイヤー非保持)」も何でも保存できました。

  • 問題点として、「 PSDファイル(元データ)」を、間違って「JPEG」で「上書き」してしまい、元のレイヤー情報を失う事故が多発しました。

◎ 現在のPhotoshop(Ver.23.1〜2026年版 現在)

Adobeはこの事故を防ぐため「別名で保存」と「コピーを保存」の役割を明確に分けました。

  • 「別名で保存」(Ctrl/Cmd + Shift + S)

    • 役割:今開いている「元データ(マスターデータ)」を、別の名前で複製して保存する。(保存後は、その新しく保存したファイルが編集対象に切り替わる)

    • 特徴: レイヤーや編集情報など、すべての情報を保持できる形式PSD, PSB, TIFFなど)が優先的に表示。

    • レイヤーを失うJPEGやPNGなどは「別名で保存」リストから意図的に非表示に。

  • 「コピーを保存」(Ctrl/Cmd + Opt + S)

    • 役割: 元データとは別に、Web用や提出用などの「書き出し用データ」を保存する。

    • 特徴JPEG, PNG, GIF をはじめ、DCSやDicomなど、すべての(古い形式も含む)保存形式がここに集約。

    • これを実行しても、今開いているファイルは元のPSDのまま、何も影響を受けない。

現バージョンの正解

  • 編集途中の「元データ」を保存する時
     → 「別名で保存」でPSDを選ぶ。

  • Web用や確認用に「JPEG」や「PNG」で書き出す
     →「コピーを保存」を選ぶ。

第2章:「保存したい形式」が選べない時の対処法【トラブル解決】

「『コピーを保存』を選んだのに、まだJPEG(あるいはPNG)が選べない!」、といった時は、元データの「構造」と、保存したい形式の「規格」が合っていない可能性があります。

理由1:カラーモードが合っていない

  • 例1:CMYKモードの画像をPNGで保存しようとしている

    • PNGは「RGBカラー」専用の規格です。CMYKモードのままでは保存リストに出てきません。

    • 対策: [イメージ] > [モード]「RGBカラー」 に変更します。

  • 例2:Labカラーやマルチチャンネルの画像をJPEGで保存しようとしている

    • JPEGは「RGBカラー」か「CMYKカラー」が基本です。

    • 対策: [イメージ] > [モード]「RGBカラー」 または 「CMYKカラー」 に変更します。

理由2:ビット深度(チャンネル)が合っていない

  • 例:16bit / 32bit モードの画像をJPEGやGIFで保存しようとしている

    • JPEGGIFといった古い規格は、色情報が豊富な「16bit」や「32bit」に対応していません。「8bit」が前提です。

    • 対策: [イメージ] > [モード]「8bit / チャンネル」 に変更します。

困った時の対処法まとめ

保存したい形式がリストに出ない時は、まず以下を試してみてください。

  1. 「別名で保存」ではなく「コピーを保存」を選ぶ(最重要)

  2. [イメージ] > [モード] を確認し、「RGBカラー」 にしてみる。

  3. [イメージ] > [モード] を確認し、「8bit / チャンネル」 にしてみる。

  4. それでもダメなら、[レイヤー] > [画像を統合] でレイヤーをすべて結合してみる。(※元データを失わないよう注意)

第3章:まずはこれだけ!主要4大フォーマット徹底比較

第4章では全26種類を解説しますが、「多すぎる!」という方のために、これさえ押さえればDTP(印刷)もWebも対応できる「4大必須フォーマット」を紹介します。

形式 PSD (Photoshop) JPEG (ジェイペグ) PNG (ピング) TIFF (ティフ)
基本 編集用「元データ」 Web用「写真データ」 Web用「透過データ」 印刷用「高画質データ」
特徴 レイヤー、効果、テキストなど全ての編集情報を保持できるPhotoshopの専用形式。 非可逆圧縮。軽量化できるが、保存のたびに画質が劣化する。 可逆圧縮。画質が劣化しない。透明・半透明(アルファチャンネル)を保持できる。 可逆圧縮。画質が劣化しない。CMYKカラーに対応し、レイヤー情報も(設定次第で)保持できる。
適した用途

・作業途中の保存

・修正可能性があるデータ

・Webサイトの写真

・メール添付

・SNS投稿

・Webのロゴ、アイコン

・背景を透明にしたい画像

・DTP入稿(印刷所への入稿)

・高画質アーカイブ

弱点 ファイルサイズが非常に大きい。これ単体ではWebに載せられない。 透明にできない。画質が劣化する。 JPEGよりファイルサイズが大きくなりがち(特に写真)。 ファイルサイズが大きい。Webには不向き。

第4章:【完全網羅】全26種「コピーを保存」全形式 詳細リファレンス

ここからは、Photoshopで保存できる「全26種類の形式」を、その仕様(用途、圧縮、カラーモード)と共に解説します。

1. Photoshop (.psd)

  • 主な用途: Photoshopの作業用マスターデータ。編集の「元データ」として必須。

  • 圧縮: 可逆圧縮 (RLE) または 非圧縮。

  • カラー: RGB, CMYK, Lab, グレースケール, インデックスなど、ほぼ全てのモードに対応。

  • 特記事項: レイヤー、パス、マスク、エフェクトなど、すべての編集情報を完全に保持します。「別名で保存」でも「コピーを保存」でも常に最上位に表示される、最も重要な形式です。

2. ビッグドキュメント形式 (.psb)

  • 主な用途: PSDの巨大ファイル版。超高解像度のポスター、デジタルアート。

  • 圧縮: 可逆圧縮 (RLE) または 非圧縮。

  • カラー: PSDに準じます。

  • 特記事項: PSDが持つ「ファイルサイズ2GBまで」「縦横30,000ピクセルまで」という制限を超えた場合に自動的に使用されます。PSBは縦横300,000ピクセルまで対応可能です。

3. AVIF (.avif)

  • 主な用途: 次世代Webフォーマット。JPEGとPNGの後継。

  • 圧縮: 高効率な非可逆圧縮(JPEGより高品質・高圧縮)および可逆圧縮に対応。

  • カラー: RGB。HDR(ハイダイナミックレンジ)にも対応。

  • 特記事項: 透明(アルファチャンネル)もアニメーションもサポートします。2026年現在、主要ブラウザでのサポートが一般化しており、WebPと並ぶWeb画像の主流となりつつあります。

4. BMP (.bmp)

  • 主な用途: Windows標準の画像形式。古いソフトとの互換性、単純なビットマップが必要な場合。

  • 圧縮: 非圧縮 または 可逆圧縮 (RLE)。

  • カラー: RGB, インデックスカラー, グレースケール。

  • 特記事項: ファイルサイズが非常に大きくなるため、WebやDTPでの使用は推奨されません。CMYK非対応。透明非対応(一部特殊なBMPを除く)。

5. Dicom (.dcm)

  • 主な用途: 医療用画像(CTスキャン、MRIなど)。

  • 圧縮: 可逆圧縮, 非可逆圧縮, 非圧縮に対応。

  • カラー: グレースケール(医療用)。

  • 特記事項: 患者情報などのメタデータも同時に記録できる特殊な形式。医療関係者以外が使用することはまずありません。

6. Photoshop EPS (.eps)

  • 主な用途: DTP(印刷)用のレガシー(旧世代)形式。Illustratorなどへの配置。

  • 圧縮: 非可逆圧縮 (JPEG) も選択可能。

  • カラー: RGB, CMYK, グレースケール。

  • 特記事項: ベクター(パス)とラスタ(画像)を両方保持できます。現在は、PDFやPSD/TIFFでの入稿が主流となり、EPSの使用は減少しています。

7. GIF (.gif)

  • 主な用途: Web用の簡易アニメーション(パラパラ漫画)、色数の少ないロゴやアイコン。

  • 圧縮: 可逆圧縮 (LZW)。

  • カラー: インデックスカラー(最大256色)のみ。

  • 特記事項: 透明(アルファチャンネル)に対応しますが、ONかOFFかの1bit(フチがギザギザになる)です。色数が少ないため写真には不向き。

8. IFF形式 (.iff)

  • 主な用途: レガシー形式。Amigaなどの古いコンピュータや特定の3Dソフト(Maya旧バージョンなど)との互換用。

  • 圧縮: 可逆圧縮 (RLE)。

  • カラー: RGB, グレースケール。

  • 特記事項: 現代の一般的なワークフローで使用することはまずありません。

9. JPEG (.jpg / .jpeg)

  • 主な用途: Web用の写真画像。メール添付、SNS投稿など、最も一般的な画像形式。

  • 圧縮: 非可逆圧縮(保存のたびに画質が劣化)。

  • カラー: RGB, CMYK, グレースケール。

  • 特記事項: ファイルサイズを非常に小さくできます。透明(アルファチャンネル)には非対応。DTPでCMYKのJPEGも使えますが、画質劣化の観点からTIFFやPSDが推奨されます。

10. JPEG 2000 (.jpf / .jp2)

  • 主な用途: JPEGの後継規格。医療画像、デジタルアーカイブ(公文書保存)など。

  • 圧縮: 非可逆圧縮(JPEGより高品質)および可逆圧縮に対応。

  • カラー: RGB, CMYK, グレースケール。

  • 特記事項: 透明(アルファチャンネル)に対応。高機能でしたが、Webブラウザのサポートが進まず、一般的にはあまり普及しませんでした。

11. JPEG XL (.jxl)

  • 主な用途: 次世代Webフォーマット。JPEGの真の後継。

  • 圧縮: 非常に高効率な非可逆圧縮および可逆圧縮に対応。

  • カラー: RGB, CMYK, グレースケール。HDR対応。

  • 特記事項: 透明(アルファチャンネル)やアニメーションにも対応。既存のJPEGファイルを画質劣化なしでJPEG XLに変換(圧縮)することも可能。AVIFと並ぶ次世代のエース候補です。

12. JPEG ステレオ (.jps)

  • 主な用途: 3D(立体視)画像用。

  • 圧縮: 非可逆圧縮(JPEGベース)。

  • カラー: RGB。

  • 特記事項: 1つのファイルに右目用と左目用の2つの画像(視差画像)を並べて格納する形式。3DテレビやVRなどで立体的に見ることができます。

13. PCX (.pcx)

  • 主な用途: レガシー形式。MS-DOS時代のペイントソフト(PC Paintbrush)で使われた。

  • 圧縮: 可逆圧縮 (RLE)。

  • カラー: RGB, インデックスカラー, グレースケール。

  • 特記事項: 歴史的な互換性のために残されており、現代で新規に作成する理由はありません。

14. Photoshop PDF (.pdf)

  • 主な用途: DTP(印刷)入稿、電子文書の共有、Webでの配布。

  • 圧縮: JPEG, ZIP(可逆), CCITT(FAX圧縮)など多様な圧縮方法を内包。

  • カラー: RGB, CMYK, グレースケール, Lab。

  • 特記事項: Photoshopのレイヤー情報を保持したままPDFとして保存可能。IllustratorやInDesignで再編集できるため、Adobeソフト間の連携に非常に強力です。

15. Pixar (.pxr)

  • 主な用途: 3D/VFX業界用。Pixar社の3Dレンダリングソフト(RenderMan)との連携。

  • 圧縮: 可逆圧縮 (RLE)。

  • カラー: RGB, グレースケール。

  • 特記事項: 高ダイナミックレンジ(HDR)の画像シーケンスを扱うための形式。専門家以外は使用しません。

16. PNG (.png)

  • 主な用途: Web用のロゴ、アイコン、図版。背景を透明にしたい場合。

  • 圧縮: 可逆圧縮(画質が劣化しない)。

  • カラー: RGB, インデックスカラー, グレースケール。

  • 特記事項: 透明・半透明(アルファチャンネル)に完全対応(フチが滑らか)。写真にも使えますが、JPEGやWebPに比べファイルサイズが大きくなりがち。CMYK非対応

17. Portable Bit Map (.pbm / .pgm / .ppm)

  • 主な用途: プログラミング、学術研究用。UNIX系OSでの画像処理。

  • 圧縮: 非圧縮。

  • カラー: PBM(白黒2値), PGM(グレースケール), PPM(フルカラーRGB)。

  • 特記事項: 非常にシンプルで原始的な形式。人間がテキストエディタで読み書きできる(ASCIIモード)場合もあります。一般用途ではありません。

18. Scitex CT (.sct)

  • 主な用途: DTP(印刷)用の超レガシー形式。

  • 圧縮: 非圧縮。

  • カラー: RGB, CMYK, グレースケール。

  • 特記事項: 80〜90年代の高性能DTPワークステーション「Scitex」で使われた形式。現代のワークフローではTIFFやPDFに取って代わられています。

19. Substance 3D Viewer (連携機能)

  • 主な用途: Adobe Substance 3D(テクスチャ作成ソフト)との連携。

  • 圧縮: ---

  • カラー: ---

  • 特記事項: これは保存「形式」ではなく、Photoshopで作成したテクスチャや画像を「Substance 3D Viewer」(プレビューアプリ)で直接開くための連携機能である可能性が高いです。3Dレイヤーやマテリアルを扱っている際に表示されるコンテキストメニューの一種と考えられます。

20. Targa (.tga)

  • 主な用途: ゲーム開発、映像・VFX業界。

  • 圧縮: 非圧縮 または 可逆圧縮 (RLE)。

  • カラー: RGB, グレースケール。

  • 特記事項: 透明(アルファチャンネル)に対応しており、扱いやすいため、ゲームのテクスチャデータや映像の連番ファイルとして長年使われてきた形式。

21. TIFF (.tif / .tiff)

  • 主な用途: DTP(印刷)入稿用の標準形式。高品質なアーカイブ(保存)用。

  • 圧縮: 非圧縮, 可逆圧縮 (LZW, ZIP)。非可逆圧縮 (JPEG) も選択可。

  • カラー: RGB, CMYK, Lab, グレースケールなど、ほぼ全てに対応。

  • 特記事項: 画質を一切劣化させずに保存できる(可逆圧縮・非圧縮)ため、印刷所に渡す最も信頼性の高い形式の一つ。レイヤーや透明(アルファ)も保持可能です。

22. WebP (.webp)

  • 主な用途: Web用フォーマットの現行スタンダード。JPEGとPNGの後継。

  • 圧縮: 高効率な非可逆圧縮(JPEGより高品質)および可逆圧縮(PNGより高圧縮)。

  • カラー: RGB。

  • 特記事項: 透明(アルファチャンネル)とアニメーションの両方に対応する万能選手。2026年現在、ほぼ全てのブラウザで対応しており、Webサイトの高速化に不可欠な形式です。

23. マルチ画像形式 (.mpo)

  • 主な用途: 3Dデジタルカメラ(富士フイルムFinePix REAL 3Dなど)での撮影用。

  • 圧縮: 非可逆圧縮(JPEGベース)。

  • カラー: RGB。

  • 特記事項: 「JPEG ステレオ (.jps)」とほぼ同じ目的で、1ファイルに右目用・左目用の2つのJPEG画像を格納します。

YOUR_TOOL_CALLS

24. 汎用フォーマット (.raw)

  • 主な用途: プログラミング、画像解析。

  • 圧縮: 非圧縮。

  • カラー: データに依存。

  • 特記事項: これはデジタルカメラの「RAWデータ(.CR3や.NEF)」とは全くの別物です。Photoshop RAWは、ファイルヘッダー(サイズや色の情報)を一切含まない、純粋なピクセルデータの羅列(バイナリダンプ)です。使用するには、画像サイズやチャンネル数などの情報を手動で正確に入力する必要があります。

25. Photoshop DCS 1.0 (.eps)

  • 主な用途: DTP(印刷)用のレガシー形式(色分解)。

  • 圧縮: --- (EPSに準じる)

  • カラー: CMYK。

  • 特記事項: 「Desktop Color Separations」の略。CMYKの4色を「マスターファイル(EPS)」と「CMYK各色の分解ファイル」の計5つのファイルとして保存する、非常に古い形式です。特色(スポットカラー)には対応していません

26. Photoshop DCS 2.0 (.eps)

  • 主な用途: DTP(印刷)用のレガシー形式(色分解・特色対応)。

  • 圧縮: --- (EPSに準じる)

  • カラー: CMYK + 特色(スポットカラー)。

  • 特記事項: DCS 1.0の拡張版で、特色(スポットカラー)のチャンネルも個別のファイルとして保存できます。また、すべての分解データを1つのファイルにまとめるオプションも追加されました。DTPのワークフローがPDF中心になるはるか以前に使われた技術です。

おすすめの記事