フォトショップで描いた「淡い水彩画タッチの絵」をイラストレーターで【 パス化 】してみる

Photoshopで描いた「水彩画風の絵」は、拡大すると画質が荒れる…。そんな時の助っ人は、Illustrator のライブトレース機能。パス化で「高精細に拡大」!

フォトショップのブラシツールで際立っている特徴は、微妙な濃淡表現を用いた 手描き風カラー絵が描ける ことではないでしょうか。

絵を紙面で描くのが好きな方にとって、PC上でも ブラシ機能で自在に描画できるソフトの存在は有り難いものですが、一方で、イラストレーターの特徴である拡大してもキレイなベジェ曲線という、データ化された描画ではないことが後に不自由さを もたらすのです。

これはフォトショップが解像度に依存した写真修正用の{画像処理ソフト}のためで、拡大すると画質粗くなるのです。

もちろん、単純でハッキリとした線画であれば、フォトショップであってもペンツール手動トレースすることでベジェ曲線パス化はできますが、「繊細で淡いタッチの水彩画」ともなればムリな話です。

かと言って、フォトショップで描いた水彩画を「イラストレーターに配置して → 拡大 → 保存」してみたところで、粗く汚い画質になるだけで元も子もありません。

という訳で「既に描き終えた水彩画を パスデータ化 するのは論外」とは昔話です。

現在では Illustrator に搭載された「ライブトレース機能(CS2以降のバージョンから搭載)」を使えば、高い精度でのパスデータ化可能となっていますから、もしパス・データ化を諦めていたイラスト画などがありましたら是非お試しください。(元描画と全く同じとはなりませんが大きな助けにはなります。)

■ライブトレース機能の使い方

ライブトレース処理の手順を下記に述べさせて頂きますが、バージョンによって細かい点での操作手順が異なってくる点についてはご容赦ください。

  1.  Photoshopで描いた絵(画像)を Illustratorに配置し 選択
  2.  ライブトレース(もしくは画像トレース)の プリセット欄で「写真(高精度)」を選択
    ※ライブトレースが自動生成されます。
  3.  オブジェクト(メニュー) → ライブトレース(もしくは画像トレース) → 拡張
    パス化していることがわかります。
  4.  修正が必要であればライブペイントツールなどで編集
  • ライブペイント修正箇所をうまく選択できず塗れない場合の対処法
    修正箇所のみ選択ツールで選択 → オブジェクト → アピアランスを分割 → 選択ツールで全体を選択 → オブジェクト → ライブペイント → 作成 → ライブペイントツールで塗り作業

下図例(キャプチャ)はヘタな自作絵ですが参考まで ^ ^;
・「1枚目」がPhotoshopで描いた絵(元画像)
・「2枚目」は元画像をIllustrator配置後にライブ(画像)トレースした結果の画像
・「3枚目」は拡張してパス化されたパーツを更にバラバラにして編集しやすくした状態
・「4枚目」は全選択して、パス化され細かくアンカーポイントが出来ているかを確認

このように水彩画タッチの絵でも、ライブトレースの処理次第では、高精度パス化の再現は可能となります。

Photoshopの水彩画

Photoshopでの水彩画タッチの元画像

Illustratorでライブトレース

Illustratorでのライブトレース後

Illustratorライブトレース拡張

Illustratorライブトレース拡張

パス化&アンカーポイント

全選択しパス化&アンカーポイントの状態を確認

■備 考

印刷のこぼれ話ですが以前、私が描いた絵を布地(Tシャツ)にプリントすることになった時のこと。取引業者にデータ送信したのですが、「シルク印刷で刷るのでPhotoshopデータでは無理です。パス化したIllustratorのデータをください。」との返答がありました。

最近のシルク印刷は業者によって濃淡ある画像でも高精度で再現できるようですが、そのような設備が無い昔ながらの印刷業者もまだ多いようです。

一般的に昇華型プリンターで画像を刷るだけでしたら、Photoshop画像でもIllustratorに配置したもので対応できる筈ですが、印刷方法に独自の解像度制限がある場合には、パス化しただけの画像では印刷できない事もあるそうです。

やはりトラブルを避けるためには、お客様やその印刷業者に どのような画像データや工程で印刷されるのか?を制作前に確認し、すり合わせておくことが大前提となりますね。