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IllustratorとPhotoshopのバージョンは揃えた方が便利?
こういった疑問は誰しも1度は抱くものですが結論からいいますと、それぞれのバージョンを同じにしたところで何らメリットはありません。
IllustratorとPhotoshopでは連携しながらの使用に互換性はないので、お持ちバージョンで編集したファイルを他のAdobeソフトと連携しての使用に問題はありません。
●Illustratorは上位バージョンで保存されたファイルを下位バージョンでは開けられない仕様のため編集は同バージョンか下位バージョンのファイルが対象となります。
Illustrator保存の「オプション設定」でバージョン階層が選択できるのはそのためです。
●ところがPhotoshopの場合は保存「オプション設定」にバージョン選択する項目はありません。
Photoshopはバージョンを選ばないので上位バージョンで保存されたデータでも下位バージョンで開くのです。
●そもそも、Photoshopはバージョンに依存しないソフトですから当然、IllustratorにPSD画像を配置する際のバージョンは何であっても影響は受けません。OSは、Mac・Windowsのどちらであっても同様となります。
以上のようなわけで「イラレとフォトの両方のバージョンを合わせるメリットや互換性は何も無い」という結論に至ります。
Illustratorを下位バージョンで保存(別名保存)する場合
- ダウンセーブすると(オプションに表示される警告にもありますが)レイアウト崩れが生じる可能性があります。回避策としては「文字は全て選択しアウトライン化」して「効果も全て選択しアピアランスを分割」処理後に、別名保存しておくことが必須となります。
- データを渡す相手のバージョンをうっかり確認せず自分のバージョンで保存してしまった場合は、きちんと先方に確認を取り直してから、一旦保存したそのデータを自分のIllustratorで開き直し、再保存してから渡しましょう。
- ファイル > 別名保存 する際は、ファイル名称を区別化の為にもバージョン番号を加えておくと後々分かり易いです。
(例:●●●_CS6保存.ai など) - CS4以降には複数のアートボード機能がありますが、もし複数のアートボードで制作したデータを(複数のアートボード機能の無い)CS3以前にダウンセーブする場合は、各アートボードを「個別のファイルに保存」にチェックしてから保存することです。これは必須事項となります。
- オプションにある「PDF互換ファイルを作成」にチェックを入れるとIllustratorデータ容量は肥大化しますが、下位バージョン保存時には下位バージョンでも確実に展開できるよう、PDF互換時でもバージョンのチエックは必ず入れておくことです。尚、「ICCプロファイル…」は目的に応じてチェックを入れる項目ですから通常は不要となります。
Photoshopを下位バージョンで保存(別名保存)する場合
もし元ファイルのバージョンが、新たに保存するバージョンからかけ離れ過ぎていた場合は「そのバージョン特有の機能」と異なる機能の編集レイヤーなどで一部不具合が起こる可能性はあります。ただし、展開後の見た目は保持されているのでレイヤーが統合(破棄)されていても編集はできます。あらかじめ保存の際にレイヤー統合をしておけばバージョン違いの異なる編集機能の問題もクリアになります。
どちらにしてもPhotoshopを保存する際は、先方に合わせてダウンセーブする必要がないのでバージョンを気にせず作業できます。
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