【 出版社 & 印刷会社 】の関係性について「どちらが強いの?」

今回は出版社と印刷会社の関係性についてのお話です。

出版社と印刷会社は全く別会社ですがビジネス上、深い協力関係があり「出版社側」が「印刷会社」を選べる強い立場にあります。

DTP業界の基本ラインは「 クライアント > 出版社・広告代理店 > デザイナー > 印刷会社 」という依頼順で進みますから両者の必然的な立ち位置として、印刷会社は末端の下請けにならざるを得ないのです。

また、出版社が選ぶ印刷会社の決定権は会社が持つ場合もありますが、編集担当者の意向が強く働くことが実質、多いです。

そもそも出版社と印刷会社は本来、どちらか片方では仕事が成立しませんから上下関係ではなく互角で同業なんです。


出版社や印刷会社の取引関係や創設には、それぞれの自然発生的な流れもあるのです。

歴史的背景から話しますと例えば、集英社小学館が創設していますし、集英社に在籍していた編集長が更にまた出版社を創設するなど系列的な関係性での接点によって、実質的に老舗の出版社から分かれた会社には、その老舗の取引先である印刷会社が参入してきます。

そういった相互関係は出版社に限らずとも、広告代理店も同様印刷物の取り扱いが多い業種は特にそういった傾向があります。子会社やグループ会社、系列の関係に印刷会社があることは多いのです。

利便性から見ても、自社でイチから印刷会社を探すよりは、今まで懇意にしてきた印刷会社となら、仕事を進める上で互いの段取りなど細かく分かり合えていますから、根がしっかりしていて安心なんです。

それでまた、編集者が別会社に移動すると、懇意にしていた印刷会社がそこに新規参入してくる可能性が生まれて、持ちつ持たれつの必要性で枝分かれて・広がって・伸びていきます。


こういった場合ほとんどの出版社は、編集者が印刷会社を選ぶ傾向にあって(中には編集長購買部が印刷会社を選ぶ所もありますが)やはり編集者がノルマを達成するためには、編集者と相性が良くない印刷会社ですと日々の細かな打合せの中では様々な不具合が生まれますから、互いにストレスが重なった挙句、会社全体の生産効率も落ちて来るのです。

また、一度依頼した印刷会社に原版のようなものがある場合は、そのパターンの継続的な流れで業務を進めると効率も良いですし「この印刷会社でないと思い通りの印刷や製本にならない!」と言ったケースも存在します。

結果的として、編集者が仕事を進めやすいよう編集者に印刷会社を自由に選ばせている出版社が多くなるワケです。

但し、印刷会社で出版物を発行していける機能を持った会社というのは限定されていて、出版社が集中している都内でも十数社くらいのものです。


その他、大半を占める印刷会社の現状は、出版社が「何社かの印刷会社から見積り」をとって値段で発注先を決められているのが普通で、継続的な関係で受注し続けることが難しい薄利多売の厳しい世界と思います。