データを印刷会社へ出稿した後はどうなってるの?【 製本化までの流れ – vol.2 】

プリントアウト・プレス・平版・オフセット印刷・カラーモード・スクリーン角度 について

前回の記事【 製本化までの流れ – vol.1 】では、「面受け」や「トンボ」の意味合いなどを交えて印刷前の{紙面上の構成}について整理してみました。

今回は、構成した「紙面」を{大量に複製}するための{印刷工程}についての話に移ります。

【 プリントアウト 】と【 プレス 】ってどう違うの?

印刷(プリント)の技法には、【 プリントアウト 】と【 プレス 】の 2種類 があります。

日本語では単純に「印刷」(もしくは「プリント」)と言い表しますが、この2種類の技法は{印刷における概念が全く別のモノ}として分類されます。

  •  プリントアウトとは、ご家庭にある{プリンタ}や、オフィスやコンビニにある{コピー機}などの複合機に「データを出力」→「インプットして」→「紙などに刷る」という意味合いのものです。
    ※{プリンタ}や{コピー機}は「データ出力する」という特質から 出力機 とも呼ばれます。
  • プレスとは、印刷会社の{大型の印刷機}で「版にインクを付け」→「紙に転写し」→ 数千~数万部と「大量に刷る」印刷技術のことです。

商業印刷物では{版にインクを付けて印刷}する プレス が基本となります。

【 プレス 】の主流は「平版」を使った「オフセット印刷」

プレスでは、印鑑や版画と同じ原理である「ハンコ」を使いますが、その ハンコ となる版は、

  • 平版(へいはん)」・「凸版(とっぱん)」・「凹版(おうはん)」・「孔版(こうはん)」の 4版式 があり、用途に応じて それぞれ使い分けられています。
  • その中でも{プレスの主流}は「平版」で、他の{3版式}とは異なる形状をしています。
  • また、「平版」の代表的な印刷といえば「オフセット印刷」ですが、コスト安な上に、仕上がりも美しく、長年 チラシや出版物などで多く使われ、現在も ほとんどの印刷物で使われています。
■「平版」「オフセット印刷」について

【 特徴 】としては、

  • 平版は{ 平面 }の版で、版面は { 正像 }。{直接、紙に 触れずに 印刷 } します。
    ※他の3版式の特徴である{版画やハンコ}のような凸凹(デコボコ)した形状でも、{ 逆像(鏡像)}でもありません。
  • 印刷は「油性インク」を使うので、版はその性質を利用し、版の中でインクを付けたい{画像のある場所は「親油性」}、インクが付くと困る{画像の無い場所は「親水性」}に分けられています。
    「親水性」部分は、油性インクが はじかれるようになっていて、印刷中は常に{水「湿(しめ)し水」}にぬれた状態に保たれています。
    ※湿し水とは、非画像部に印刷インキが付着しないように 版の非画像部を湿らせる液体のこと。
  • オフセット印刷では、平版を直接紙に当てるのではなく、1度「ブランケット版」という{ゴム版}にインクを移し、そこから紙に刷り出します。
  • この時、画像部のみにインクが付着するため、このインクを一度{ブランケット版に転写(=OFF:オフセット)}してから、{紙に転写印刷(=SET:セット)}することから、オフセットと呼ばれています。
  • 平版は、印刷機の「版胴(はんどう)」という筒に巻き付けセットしますが、版を個定するために{版胴の切れ目}である「クワエ」に端の数センチを食い込ませるので、この部分には画像を置かないようにします。

以上を 簡単にまとめますと【 オフセット印刷(略して オフセット)】とは、

{水と油の相反する性質を利用}する印刷方法で、平らな原版(平版)の上に「親油面(油性の画像部)」と「親水面(非油性の非画像部)」とを作り、その原版に「湿し水」と「油性インク」を供給しながら大量印刷する方法です。

■「凸版」・「凹版」・「孔版」とは?
  • 凸版(とっぱん)」
    インクの付く部分を 突き出させて、インクを付けない部分を ヘコませた版で、歴史の1番古い形式。
    高低差を利用して、突き出た部分にインクを付け、印刷物に圧力を加え転写する。
    新聞・雑誌の「輪転印刷」、書籍の「平台印刷」、美術品の「原色版印刷」など、幅広く活用され、鮮明で歪みが少ないことが特徴。
  • 凹版(おうはん)」
    凸版の逆で、凹んだ部分にインクを詰めて、印刷物に転写して印刷する形式。
    美術や写真などの{芸術的な印刷}に適し、代表的なものに「グラビア印刷」がある。
    粗さが目立たず、複雑で味わいのある調子が出るので、仕上がりが美しい。
  • 孔版(こうはん)」
    大小の細かい孔 (あな) をあけ、その孔からインクをにじみ出させて印刷する形式。
    インクの乾燥が遅く 大量印刷に不向きな為に 一般商業印刷では ほとんど使われないが、平板や凹版では不可能な「湾曲した面の印刷」などの{特殊な印刷}や{軽印刷}の分野で多用されている。
    特殊加工の原紙や、金属箔などを使った「謄写(とうしゃ)版印刷」、絹布の「シルクスクリーン印刷」などがある。

※このサイトでは「平版」に的を絞った解説をさせて頂きます。

■ 平版の「網点(スクリーン)」とは?

版を使って大量印刷する印刷インクでは、絵の具で絵を描くように「色を混ぜて塗る」なんてことはしません。

モノクロ印刷」であればインクは{黒1色}で済みますが、黒1色でどうやって「灰色」を表現するのか?を例に出しますと、

  • 版に{細かい点}を格子状に並べた「網点(あみてん:英語で スクリーン)」で、擬似的に表します。
  • 濃度は通常、パー セントで{指定}します。
  • 網点の{1つ1つの点}は 真っ黒ですが、目立たないように(普通は)45度に傾けて並べられていて、これが離れて見ると「灰色」に見えるのです。
  • グラデーションは、網点が全くない状態から、完全に塗りつぶした「ベタ」という状態まで{網点の大きさ}を少しずつ変えて並べることで濃度を調整し、濃淡を出しています。
  • プレスにおける{階調表現}は{網点が全て}で、DTP制作の全工程では「網掛け(あみがけ)」・「平網(ひらあみ)」・「スミアミ」と呼ばれています。
    一般で言う「灰色」や「グレー」という表現はしません。
■ カラーモード【 CMYK 】とは?

フルカラー印刷」の場合も「モノクロ印刷」同様に色は{網点}で表現します。

  •  「プロセスカラー」と呼ばれる C(シアン:藍)、M(マゼンタ:紅)、Y ( イエロー:黄)、K(ブラック:墨)の4色のインクを各色4版に分けて{掛け合わせて}刷り上げます。
    ※「掛け合わせ」は、インクを重ね合わせた部分のことを言います。
  • 例えば、
    M100% × Y100% の{網点}の 掛け合わせ = (「キンアカ」と呼ばれる代表的な赤)、
    C100% × Y100% の{網点}の 掛け合わせ = 、といった具合に色を表します。
  • K100%)は{色の三原色}の理論上では、C・M・Y の3色の掛け合わせで表せるので本来、3色インクの混合で刷るはずですが、印刷の物理的な制約や利便性から{黒インク}を使うことで、くっきりとした美しい印象に仕上げています。
■「スクリーンの角度」は C15°・M75°・Y0°・K45° が ”お約束”
  • 4版それぞれの{網点の傾け方}ですが、全て同じ方向で重ねた場合、色がつぶれて汚くなるので、色ごとに網点の角度を変えないといけません。
  • また、角度を目分量で適当に変えた時には、干渉縞(かんしょうしま)が発生してしまい見苦しいのです。
  • この「干渉縞」は、モアレ(フラン ス語)と呼ばれ、プロの印刷では許されませんが、原理的に{モアレを完璧に無くす}ことは出来ません。
    但し、最も目立たない角度の組合せは経験的に確立されています。
  • この「網点(スクリーン)」の角度は、「スクリーン角度」と呼ばれ、一般的に C15度M75度Y0度K45度 となり、版を作る時の重要な基本事項のひとつです。

データを印刷会社へ出稿した後はどうなってるの?【 製本化までの流れ – vol.3 】へ 続く…(現在編集中)